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【オンライン職業体験:体験学習シリーズ 2】 「わかりあえなさ」を対話で楽しむ「トランスレーションズ展」オンライン鑑賞ツアー開催!

 

デザインやアートに興味がある生徒たちが、「伝える」ことに包括される複雑さと多様な方法を知り、自らの創作などに対する視点や考えを深める機会を提供するために、2021年3月、東京・赤坂にある21_21 DESIGN SIGHTにご協力いただき、企画展「トランスレーションズ展 −『わかりあえなさ』をわかりあおう」(2020年10月16日 – 6月13日)のオンライン鑑賞ツアーを実施しました。

 

お互いに異なる背景を持つもの同士が、意思疎通を図るにはどうすればいいのでしょう?

微生物や植物の言葉は“翻訳”できるのでしょうか?

 

本展覧会ディレクターのドミニク・チェンさんは「翻訳はコミュニケーションのデザインである」と考え、文字や言葉だけではなく、ジェスチャーなどの身体表現、人間以外の生き物との交信など、さまざまな翻訳の可能性を、国内外の研究者、デザイナー、アーティストによる作品を通して伝えることを試みています。

 

当日は、ナビゲーターに展覧会企画協力の塚田有那さんをお招きして、会場での作品展示を記録した映像を見ながら、ドミニクさん本人が一つひとつの作品のコンセプトや創作のプロセスを解説してくれたことで、自分だけでは掘り下げられないような問いや着想に向き合う機会となりました。

 

 

プログラム後半は感想共有の時間。

参加者同士で気になった作品とその理由を話し合い、生徒たちからは「いろいろな人の意見を聞いて、多角的に事象を観察することで、いかに世界を面白く見ることができるかがわかりました」「ほかの人がどう感じたかなどを知ることができた」といった声が寄せられました。

 

続いては、ドミニクさんと塚田さんとの質疑応答の時間。

プログラムを通して “翻訳”“言語”“コミュニケーション”がテーマとなっていましたが、そのなかで生徒から上がった「プログラミング言語も言語だけれど、それについてはどう思いますか?」という質問に対して、「この質問を何ヶ月も待っていました!」とウキウキした様子のドミニクさん。

 

プログラミング言語を含め、言語というものは人類の営みと共に常にアップデートされていくものであり、例えば人口が減って使われなくなった言語は“絶滅言語”と呼ばれ、近年では環境保護とも密接しつつ、多様性の喪失として問題視されています。「失われゆく言語をアーカイブしていくことや、AI(人工知能)が絶滅言語を話せる環境を作ることで、人間がその言語と対峙した際に新たな気づきがあるなど、有機的でSF的な発想も面白いと思っています」とドミニクさんは続けます。

 

「では何のために言葉を残すのかと考えた時、それは思考のサステナビリティ(※)のためなのではないか?」という生徒からの意見に議論はヒートアップ。

 

※社会や地球環境における将来にわたる持続可能性

 

色を表す言語も国によって異なり、その言語を通した色は見え方も異なります。私たちは、その言語でしか表せない“ものの見方”や、その見え方が形成する“思考の多様性”を守っていくことを迫られているのかもしれません。

「極論を言うと『わかりあえてしまうことの恐ろしさ』ということを考えたりもしています。僕は研究者なので、わからないことがあるとワクワクするんですよ。わからないことがわかっってしまうと、なんかちょっとがっかりしている自分もいて、達成感はあるけど、自分の知らない世界が少し狭くなったというか、もの寂しさみたいなものがあります。未来を考える時に、究極的には地球上で英語しか話せなくなるというような、よくSFで描かれるような世界観は、個人的にはディストピア(※)だなと思っています。だからこそ『思考の多様性を保護すること』は大切なことだし、それだけでシンポジウム開けそうですよね(笑)」 

 

※「ユートピア(理想郷)」の対義語で、暗黒世界、否定的・反人間的な側面が強調された未来社会像。

 

 

 

生徒たちからは今回のプログラム通じて学んだこと・気づいたこと、自分の変化や成長について以下のようなフィードバックがありました。

 

・研究することがこんなに華やかで、創造性にあふれていることを知ることができした。“翻訳”という言葉からここまで解釈を広げることができるのがすごいなと思いました。私も一つの言葉をきっかけに連想から解釈を広げていきたいと思いました

 

・価値観がアップデートされたな、と強く感じました。自分の中になかった面白い世界や発想を知ることができました

 

・クリエイティブなことが好きでも、なかなか自信が持てず、表現することが怖いと思っていたのですが、今回さまざまなアートを見て、勇気と元気が出ました

 

・わかりあえなさは居心地の悪さだけを与えるものではなく、好奇心や探究心をくすぐったり、可能性を秘めていたりすることがわかりました。わからないことをわからないものとして捉えると人々はよりストレスが少なく、人生を楽しめるような気がしました

 

・美術館などが身近になく、興味があっても行けないことが多かったので、オンラインという形で見れてとても楽しかったです。クリエイター本人と会ったことがあるナビの方だからこその解説もとても面白かったです

 

角川ドワンゴ学園では、これからもオンラインだからこそ開催できる美術館や展覧会との連携プログラムを提供していきたいと思います。

今後ともご期待ください!

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