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【政治部】菅義偉前総理がN/S高生の質問に語りかけた「信念」

【政治部】菅義偉前総理がN/S高生の質問に語りかけた「信念」

 

N/S高政治部は、主権者教育の一環として政治家と直接触れ合う機会をつくり、生徒に政治を身近に感じてもらうとともに、なんらかの意図で情報がゆがめられることの多い政治に関する話題について、生徒のメディアリテラシーを高め、情報操作や不正確な情報に流されず自分で調べて考え、判断できるようになることを目的としています。

 

特別講師 三浦瑠麗氏のもと、特定の主義・主張を学ぶのではなく、あくまで生徒自身が社会問題について自分の頭で考えられるようになることを目指し活動しています。

 

2022年5月からスタートしたN/S高政治部第3期では、8月23日(火)、総務大臣や歴代最長の7年8ヶ月にわたり官房長官を務めた菅義偉・前内閣総理大臣をお招きして、政治部に所属する生徒の質問に答える形で特別講義を行いました。

講義の模様はYoutube ニコニコ生放送 TwitterLive でご覧いただけます。

 

 

このブログでは、政治部2年安彦匠翔さんに、特別講義の様子を書いてもらいました。

 

── いつもにも増した緊張感

政治部3期生にとって初めての特別講義で、質問案を準備する過程から、講義直前の確認まで、いつもにも増した緊張感がありました。

政治部は5つのチームに分かれて活動しており、特別講義の質問も各チームごとに行いました。

 

■ 「やはりこれはワクチンで勝負をかけよう」

Aチームは、菅前総理が押し進めてきたコロナ禍でのワクチン接種、携帯料金の値下げ、不妊治療の保険適用、高齢者の医療負担、気候変動、カーボンニュートラルの宣言などの政策の中で、最も困難だったことや、これまでの経験も踏まえた若い世代へのアドバイスなどを質問しました。

まずコロナ禍でのワクチン接種の推進について、菅前総理は、ご自身も官房長官として対応にあたっていた安倍内閣が退陣した際のことを紹介して、次のようにお話されました。

 

菅義偉前総理(要約)

コロナ対策は経験してきた人間がやるべきだと感じて、自民党総裁選に出馬を決意しました。

コロナ対策を推し進める上で、いかにして全体像を把握するか頭を悩ませました。

そんな中でも、先行してワクチン接種をしている海外の情報を収集して「やはりこれはワクチンで勝負をかけよう」と考え、1日100万回接種の目標を掲げました。

ワクチン接種は、厚生労働省だけでなく、総務省や防衛省、経済産業省も協力するなど「役所の縦割り」を壊して、総力を結集させて取り組みました。

 

 

── 総理大臣としての「判断」

携帯料金の値下げや不妊治療の保険適用については、福島第一原発に貯蔵されている処理水の海洋放出を判断した際のことを例に挙げ、総理大臣としての「判断」について説きました。

 

菅義偉前総理(要約)

長年にわたり様々な議論をして、議論を尽くし終えたものは、総理大臣として判断をするべき。携帯電話の値下げや不妊治療の保険適用についても、誰から見ても「当たり前」なことは判断をして、少しでも国民の期待に応えられる体制を整えました。

 

■「自分の国は自分たちで守っていく」ということを明確に

Bチームは、来年度予算案で防衛費を大幅増額する方針であることに着目して、防衛費の財源確保と、それに伴う国民の負担のあり方について質問しました。

菅前総理は「一国で国民を守れる時代ではなくなっている」「日本で言えば日米同盟が一番大事なことだ」として、同盟関係を維持する上で大事なことを続けました。

 

菅義偉前総理(要約)

「自衛隊が日本国民を守る」という意思表示が極めて大事だと思います。そのためには、一定の防衛力は必要だと思います。

国民の安全安心を確保するための防衛費は、明確に「何年でいくら」ということを示した上で進めていくべきだと思います。

 

このように、会場で参加しているメンバーは、菅前総理に「面と向かって」質問します。

現職の政治家を目の前にして質問することは当然緊張しますが、真剣に向き合って回答してもらう経験は、自分の意見を主張することの大きな自信になります。

N/S高政治部以外ではなかなか味わえない貴重な経験です。

 

■「政治の責任で議論をして方向性を作っていく時期」

Cチームは、選択的夫婦別姓制度を導入することで、苗字を受け継いでいない方の家系も守ることができるとして、選択的夫婦別姓も含んだ家族制度について質問しました。

 

菅義偉前総理(要約)

選択的夫婦別氏は、国民の皆さんにもさまざまな議論があると思います。

少子化の中で、こうしたことが社会問題になってきていることも事実だと思います。

ただ、単純に別氏を母方にすると、今度はどこまで必要か、子どもはどうする、といういろんな問題が発生してきます。困っている方がいるのは事実なのでこれ以上先送りせず、政治の責任で議論をして方向性を作っていく時期だと思っています。

 

Cチームの質問に対する菅前総理の発言は、その日のうちに多くのメディアで取り上げられ、注目されました。

 

Dチームは、菅政権が医療費の窓口負担を見直すなど、現役世代向けの医療改革を実行したことをふまえ、今の医療制度を維持するべきか、個人負担を増やす制度に変えるべきか質問しました。

 

Eチームは、持続的に改革の波を起こすことができない現状を変え、改革の波を持続的に起こすことができるような日本社会にするには、どのような施策や構造改革が必要なのか質問しました。

 

講義は1時間20分におよび、菅前総理のまっすぐな眼差しで語りかける様子と、時折見せるにこやかな表情が印象的でした。

 

■ 高校生へのメッセージ「岐路に立ったとき、自分が前に進む判断をしてきた」

最後に、菅前総理が全国の高校生に向けて語った「改革を諦めない・やり遂げる」ことについてのメッセージをご紹介します。

 

菅義偉前総理(要約)

農家の長男でありながら都会で生活をすること、市会議員に38歳で立候補したことなど、自分が岐路に立ったときに、基本を大事にしながら、前に進む判断をしてきました。

皆さんには、まだまだ可能性がいくらでもあるわけですから、悔いのないように、少なくとも自分では納得できる判断をして、これからの人生に向かっていってほしいと思います。

 

○ 配信外で見えた「政治家の人間性」

菅前総理の印象として、長年官房長官を務めていらっしゃったためか、私の中では「仕事人」のイメージが強くありました。

しかし、講義終了後の写真撮影の合間、周りに集まった私たちに「実際に会ってみると、意外と怖くないでしょう?」とジョークを言って笑いを誘うなど、講義中とは違ったお顔を見ることができました。

 

高校生のうちに政治家の人間性を自分の肌で感じ取ることは、N/S高政治部以外でなかなか体験できません。

政治部の魅力的な体験のひとつです。

 

■ 当事者に近い視点で「発言の拡散」を知ることができた

私は、2021年7月に行われた いじめ問題についての講義安倍元総理の特別講義 などにも参加しましたが、菅前総理は特に言葉を慎重に選んでいた印象を受けました。

講義中の選択的夫婦別姓についての発言も、すぐに各メディアで取り上げられるなど、総理大臣退任後も様々な方面から注目されていることがわかりました。

政治家の発言が拡散する過程をいつもとは違った、当事者に近い視点で知ることができたことは、SNSなどで日常的に多くの情報と接する現代社会を生きる上で、学びの多い貴重な経験になりました。

 

N/S高政治部では、今後も主権者教育の一環として特定のテーマについて考えを深めたり、有識者や政治家の方をお招きして講義を行っていきます。

菅前総理、お忙しい中、ご指導いただきありがとうございました。

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