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【インタビュー】IT人材発掘プロジェクト「未踏ジュニア」 ― N高チームの挑戦

【インタビュー】IT人材発掘プロジェクト「未踏ジュニア」 ― N高チームの挑戦

 

N高通学コースでは、日々さまざまなプロジェクトに取り組み仲間たちと切磋琢磨しながら自らの技術や考える力を養っています。

その中の一つとして、生徒たちが取り組んだプロジェクト「未踏ジュニア(※)」。

生徒たちがどのような課題に取り組み、どんな成果を残したのか。その一端をご覧ください。

 

 

※未踏ジュニア」

ITによる日本のイノベーションを加速させることを目的に設立された一般社団法人未踏が主催(経済産業省が後援)する事業で、独創的なアイデアを持つ小中高生クリエイターに対し、各界で活躍するPMやその他専門家による指導、また最大50万円の開発資金の援助を行うプロジェクト。

 

 

2017年度のプロジェクトでは、N高通学コース・代々木キャンパスのチームによる「汎用人体センサ情報収集 IoTデバイス&Webプラットフォーム」が厳しい選考を通過し、採択されました。

N高ニュースバックナンバー(2017/06/19)

 

 

10月22日(日)にプロジェクトの最終報告会でのプレゼンを終えたN高チームの4名。

未踏ジュニア報告会(動画で視聴できます)

 

【N高生チーム(代々木キャンパス)】

足立素音(2年)、 山田陽大(2年)、 田島融樹(2年)、 出川大和(2年)

 

今日は「未踏ジュニア」のプロジェクトに参加していたN高チームから、当日発表した足立さんと山田さんの2人にお話を聞きました。

※向かって左から山田さん、足立さん

 

 

【身近な課題を解決する”未踏”への挑戦】

 

―「未踏ジュニア」に応募したテーマについて教えてください。

 

足立:当初は「人体センサーの情報に係るプラットフォームを作る」という内容でした。具体的に例を出すと、トイレに人体センサーを設置した場合、「トイレがいくつあるのか、どれくらい使われているのか、今行ったら使えるのか」などの情報を扱えるようにするものです。これを平均化し、他のシステムにも応用できるプラットフォームを作るのが目的でしたが色々と検討した結果、最終的には「IoTデバイスそのものを作りやすくするソフトウェアを開発する」ということになりました。

 

 

―開発段階で目的が少し変わったようですが、それはなぜですか?

 

足立:そもそもは「人がいるかいないか」という情報を扱うプラットフォームを作っていたのですが、情報にはその場所の「温度」「湿度」「明るさ」など様々なものがある中で、「人の所在」のみの情報に価値があるのかという疑問にぶち当たりました。それ以上の付加価値をつけるためにテーマを少し変更しました。

 

 

―「人体センサー」を用いたテーマにしようと思った”きっかけ”を教えてください。

 

足立:そもそもは自分たちの身の回りにある課題を解決しようという想いでした。

 

山田:街のイベントなどに行くと仮設トイレがあると思うのですが、実際にそれを使おうと思ったとき、そこに行ってみないと「混んでる」か「空いてる」か分からないですよね。もし混んでたら絶望的です。それを解決できるようなシステムがあれば良いなというのがきっかけです。

 

 

―「未踏ジュニア」応募までの経緯は?

 

足立:未踏プロジェクトを知ったのは、N高の授業である「スペシャルN」で夏野剛さんの授業を受けたのがきっかけです。夏野さんから色々な可能性について示唆いただきました。動き始めたのはそれからですね。

 

山田:学校が作ってくれる機会で得るものは大きいですね。今回の「未踏ジュニア」もN高での授業がなければ知らなかったので。

 

 

【改めて実感するチーム開発の難しさ】

 

―このプロジェクトでつらかったこと・反省点はありますか?

 

足立:個人的な事情で申し訳ないのですが、夏休み中にインターンやアルバイトなど他のことが色々と重なってしまって……。未踏ジュニアにもっと時間を割くべきだったのに、なかなか集中できませんでした。精神的な部分で追い込まれてしまった部分がありましたね。

 

山田:それぞれの連携が上手くできない現状がもどかしくて辛かったです。チームのメンバーやプロジェクト・マネージャーとの連携が難しく進行管理が本当に大事だと感じました。他の案件でもそうなのですが、チーム開発ではそれぞれの作業の進捗を把握するのが大事で、足並みを揃えるのが難しいです。今回の開発では、改めてその辺りが自分の弱点かなと。

 

足立:チーム開発は一人でできるものではないので難しいですね。

 

山田:あと、開発費用をあまり使わなかったのも反省点の一つだと思います。もっと効果的に使えたらよかったのですが。

 

足立:そうですね。予算補助の上限は50万円でしたが、ほとんど使わなかったです。他でいうと、私たちのチームは自分たちの得意なプログラミング言語を用いて開発していたのですが、「未踏ジュニア」に参加している他のチームを見ると、あまり見たことのない珍しい言語を使っているところがありました。そういったチャレンジングな部分は良いなと思いました。

 

 

―このプロジェクトに参加してうれしかったことや良かったことは?

 

山田:フェイスブックの友達が増えました。「未踏ジュニア」に参加して人脈が広がりましたね。多くの社会人の方々と接することで、貴重な社会経験を積むことができました。このプロジェクトに参加しなければ出会えなかった人もいるので、そのつながりは大切にしたいです。

 

足立:そうですね。コミュニティーが広がったのは大きいです。「未踏ジュニア」には自分よりも若い優秀な人材もいたのでいい意味でのプレッシャーや刺激を受けることができました。

 

山田:確かに。正直焦りましたね。頑張らないとダメだなと改めて考えさせられました。

プログラミングは実践あるのみです。未踏とは違う他のプロジェクトですが、「ゴールドマンサックス」や「グーグル」でプレゼンをする機会があって……。最初はズタボロでした……。それを磨くにはやはり実践あるのみで、実際にやることでレベルを上げることができました。そういう意味では「未踏ジュニア」も同じで実践あるのみ。初歩的ですがトライアンドエラーを繰り返して内容を磨き上げていくという経験は大事だなと。

 

 

【更なる未踏の地へ。彼らの挑戦】

 

―「未踏ジュニア」の経験を今後どのように生かしていきたいですか?

 

山田:プログラミングに限らず、自分がやってきたことを下の世代に伝えていきたいと思っています。最終的にはそれで日本のGDPが上がれば最高ですね。壮大ですけど。

プログラミングの授業の中で、N高のTA(ティーチング・アシスタント)に『自分がタネを蒔けば、それが芽を出していつか自分に返ってくる』ということを教わったからそういう想いになったのかもしれません。いつか自分を助けてくれる存在になるかもしれないですしね。

母校の中学校で教えることにも興味があります。今であれば「プログラミングの楽しさ」を教えることで「将来これで飯が食えるんだ」と思ってほしい。勉強としてのプログラミングを教えるのではなく、『自ら学ぶ力』を伝えられたら最高です。

 

足立:「チームプロジェクトは勉強してわかることではない」ということを実体験をもとに学ぶことができました。今後は、「人と人とをつなげる」環境づくりをすることにも興味があるので挑戦したいです。『学びたいこと』『やりたいこと』の集約と、それを提供できる人材をマッチングするプラットフォームのようなものの構築に魅力を感じています。自分がインキュベータ(支援者)的なことをやれれば良いですね。

 

(完)

 

 

 

「未踏ジュニア」を通じて、チームプロジェクトにおける進行管理の難しさや、他者と連携することの大切さなど様々な事を学んだN高チーム4名。

 

このプロジェクトに取り組んだことで視野や見識をさらに広め、様々な人との関係を深めた経験は何事にも代え難いものであり、今後の彼らを支える屋台骨になるのではないでしょうか。

 

「未踏の地」へと歩を進める彼らの挑戦はまだ道半ば。

 

高校生ながらしっかりと未来を見据えるその目には、輝きが宿っていました。

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