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2020/02/03

【職業体験】焼物の里、波佐見でつくる陶磁器にマーケティングを学ぶ

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【職業体験】焼物の里、波佐見でつくる陶磁器にマーケティングを学ぶ

【職業体験】焼物の里、波佐見でつくる陶磁器にマーケティングを学ぶ

11月25日(月)~11月29日(金)の5日間、長崎県の中西部に位置する波佐見町で「波佐見焼マグカップのマーケティング体験」を開催し、N高生8名が参加しました。

波佐見焼の生産地、長崎県波佐見町では陶磁器の生地作り、絵入れ、窯焼きなど、それぞれの工房が立ち並んでいて、町全体が一つの波佐見焼工場のようです。

このプログラムでは、波佐見焼の歴史と技法を学び、自分たちで陶磁器をデザインします。そして、作るだけではなく、制作したオリジナルの陶磁器を販売するマーケティングプランも立案し、そのプランに沿って実行するところまでを取り組みました。

【1日目】

兵庫県、愛知県、東京近郊から8名のN高生がJR有田駅に集合して、波佐見町にある長崎県窯業技術センターへ向かいました。

最初におこなった開校式では、松下副町長を筆頭に役場や波佐見町の受け入れ先の方々が勢ぞろいし、温かいメッセージと共に迎えてくれました。
【1日目】

【2日目】

午前中は、いくつものギャラリーが軒を連ねる中尾山を散策し、ユニークな磁器にたくさん出会いながら陶磁器の町を堪能しました。
午後は、生地屋さんで多種多様な生地の成形や接着を体験しました。鋳型(鋳物などを鋳造するときに溶かした金属を流し込む型)を使った成形では、その重さに圧倒され、みんな真剣な表情に。
  • 【2日目】
  • 【2日目】

【3日目】

午前中は窯元へ伺い、素焼き、絵付け、釉薬ぬり、本焼きの行程を体験。窯元の工場内は多様な陶磁器で溢れていました。
普段から身近にあり何気なく使用している陶磁器ですが、それらの製造行程に関わっていると、陶磁器に愛着を感じるようになるものです。

午後は、各自ろくろを使って自分のオリジナルの器作りに挑戦。
粘土をろくろで造形するのはとても難しく、みんなで悪戦苦闘しながらも楽しい時間を過ごしました。
  • 【3日目】
  • 【3日目】

【4日目】

窯業技術センターやギャラリーでさまざまな陶磁器を見学したり、生地屋、窯元、ろくろ体験で実際に陶磁器を作ってみて得られた情報をもとに、2班に分かれてマグカップのオリジナルデザイン制作に取りかかりました。
どんな人に買ってもらうか、ターゲットを想定して「ペルソナ(※1)シート」を作成します。

また、そのペルソナが好むデザインのアイデアを持ち寄り、コンセプトやイメージをまとめて「カスタマージャーニーマップ(※2)」を作成しました。

※1 ペルソナとは…マーケティングや商品開発において、主となるユーザー像を仮想の人物として定義したもの。
※2 カスタマージャーニーマップとは…ペルソナの動きを可視化し、チームで共有するための図や表。

午後には、コンセプトやイメージを実際のデザインに落とし込むことに挑戦しました。コンセプトやターゲットを行ったり来たりしながら、アイディアを形にしていきます。
途中で思考が対立したり、相互に歩み寄ったりしながら完成に近づいていきました。
  • 【4日目】
  • 【4日目】

【5日目】

いよいよ最終日。4日間の波佐見町での体験やグループワークの成果を波佐見町の皆さまの前で発表しました。
グループでマーケティングコンセプトやデザインを協働して完成させることができ、参加生徒はみんな充実した表情でした。

その表情から、彼らが5日間という短期間で学んだことの多さと成長を感じることができました。
  • 【5日目】
  • 【5日目】

【参加者の感想】

最後に、参加生徒の感想を紹介します。

・ほかの参加者も意欲的な人ばかりで、楽しく学ぶことができた。街の雰囲気がとても綺麗で、移動しているだけで楽しかった。食べ物がすごくおいしかった。

・初めての友だちと初めての経験をしたり、真剣に考えたり、煮詰まって大変だったり、それを打開したりできたことはとても良かったと思います。人の温かさや、ものづくりの大変さを学んだり、大変刺激を受けました。

・今回、波佐見町と焼き物の大ファンになっただけでは終わりではありませんでした。一緒に過ごしたメンバーと離れるのが寂しくて、別れの時は泣いてしまうほどでした。参加させてもらえて本当に本当によかったです。