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2017/05/29

マグロ仲卸体験に行ってきました

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マグロ仲卸体験に行ってきました

非日常体験×生きる力×流通の理解

多くの外国人観光客が訪れ、観光地としての面を持つ築地市場。

観光客に溢れる築地”場外”、実はもう1つ築地”場内”があります。全国から生鮮食品が集まる築地市場。場内にあるマグロ仲卸株式会社山和に、2017年5月25日~28日の4日間、職業体験に行ってきました。

「マグロは生き物だ」山和の渡辺社長の言葉は2つの意味を持つ。1つはスピード命の生ものということ。過酷な作業、山和スタッフとのコミュニケーションを通して、徐々に参加したN高生は2つ目の意味を理解する。

圧倒される市場という非日常の中、マグロ仲卸という職業や流通システムを理解するだけではなく、「働くとは何か」「価値を作るとは何か」を考え始める職業体験です。
  • 非日常体験×生きる力×流通の理解
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氷詰め作業×運搬作業×ターレトラック作業

市場で働くことは、生半可なものではありません。生鮮食品というスピードが命の商品を扱います。時には走り、時には怒号が飛び交い、時には延々と同じ作業を続ける。当初は「単純作業だ」「工夫は要らない」「体力勝負」と考えていたN高生。しかし、段々と作業ではなく仕事の意味がわかってきました。

10人のチームとして効率的に動くための工夫。次の工程がスムースになる工夫。少しでも効率化する工夫。マグロ仲卸以外の職場でも必要な工夫が溢れています。N高生は、リアルに体験しながら、仕事における工夫を学んでいきます。
  • 氷詰め作業×運搬作業×ターレトラック作業
  • 氷詰め作業×運搬作業×ターレトラック作業

マグロの解体

職業体験前に「マグロは商品。食べさせない。切らせない」と仰っていた渡辺社長。

もちろん危険な作業だからという理由もありました。しかし、真剣な表情で黙々と作業を続け、ハキハキと挨拶をするようになったN高生達は、特別にマグロの解体を手伝うことを許されました。

大きなものは250kgを超えるマグロ。マグロのプロ達が3~4人がかりで持ち上げる。専用の道具は2mは超える両手包丁。喜びや期待よりも緊張感を漂わせるN高生。生き物であったマグロを切り、商品にしていきます。
  • マグロの解体
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マグロの販売体験

マグロの流通システムは、大別すると、漁業、セリ、1次卸、セリ、仲卸(2次卸)、小売、最終消費者と渡っていきます。中間マージンの上乗せではなく、安定化やニーズに沿った商品化で付加価値を乗せていきます。

しかし、1日数十本ものマグロを解体する仲卸体験では、商品イメージがなかなか湧きません。そこで、場外にある山和の販売店で接客を行ないました。商品作り、値段設定、手書き看板作り、営業、接客、全てを任せてもらいました。お客様の足を止める難しさを痛感しました。その難しさの先にある、販売できた時の喜びも実感しました。
  • マグロの販売体験
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マグロ仲卸体験で学んだこと

長時間に及ぶ作業の後は、振り返りのグループ活動を行ないました。経験したこと、印象に残った言葉、学んだこと、明日からの自分に活かしたいこと。経験を自分のものにするために、3人は語り合い、時には衝突し、そして共有しました。

当初は、挨拶も返事も声が小さかった参加者。仕事と山和スタッフのみなさんとの会話を通し、声は張り上がり、そして真っ直ぐと前を見つめて仕事を続けるようになりました。

もしかすると、参加したN高生は将来、食品関係には勤めないかもしれません。しかし、全く別の職業においても必ず活かせる力を手に入れたマグロ仲卸体験でした。
  • マグロ仲卸体験で学んだこと
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