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2020/02/05

【職業体験】地元のあたたかさに触れながら山口県長門市で観光コンテンツづくり

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【職業体験】地元のあたたかさに触れながら山口県長門市で観光コンテンツづくり

【職業体験】地元のあたたかさに触れながら山口県長門市で観光コンテンツづくり

11月23日(土)から25日(月)の3日間、山口県長門市にて「地域住民視点から考える観光コンテンツづくり」の職業体験が実施され、N高生が10名、地元長門市の高校生6名が参加しました。

山口県長門市は元乃隅(もとのすみ)神社(※)を有する観光名所。2017年には新しく道の駅もオープンし、年々観光客数は伸びています。そんな長門市で、地域住民視点を取り入れた観光コンテンツづくりにチャレンジしました。

移住者の方々とコミュニケーションを取り、地元の高校生と協働しながら「地域住民」という視点に立って物事を捉え直すことに挑戦した生徒たちの様子をお届けします。

※元乃隅神社…100m以上にわたり並ぶ123基の鳥居が圧巻の、商売繁盛、良縁、子宝、福徳円満、交通安全、学業成就などの神社。敷地内にある高さ約6mの大鳥居の上に設置された賽銭箱に、賽銭を投げ入れることができたら願い事が叶うと言われている。

【1日目】

山口宇部空港と新山口駅にて10名のN高生が集合し、地元の方々の運転で長門市へ出発。和やかな雰囲気で会場でもある宿泊先に向かいました。途中で長門市の観光名所でもある千畳敷(※)に寄り道。天気も良く、心地いい風に気分も高まります。

※千畳敷…日本海を見渡せる絶景で有名な高台の観光名所。

一方、会場にはひと足早く長門市の高校生が到着。緊張した面持ちでN高生の到着を待ちます。
N高生が会場に到着し、オリエンテーションからスタート。今回の職業体験のスケジュールやミッションを共有していきます。
不安や緊張も見られた生徒たちの表情が晴れたのはアイスブレイクの時間。身体を使ったアクテビティに、身体も心もほぐれました。

オリエンテーションが終わると、早速グループワークが始まります。本格的なワークが始まる2日目に向けて、観光コンテンツとはなにか、なぜ地域住民の視点に立つことが大切か、ワークを交えて学んでいきます。

ワークのあとはウェルカムBBQ!地元の方にも来ていただき、おいしいお肉を頬張りました。
地元の方からは豚汁とおにぎりの差し入れが。色々な人のあたたかさに触れながら、和気あいあいとした食事になりました。
食事を終え、地元の温泉「楊貴館」へ。とろとろの温泉であたたまり、移動の疲れを癒やしました。

この日の最後は、メンターとの面談。1対1で話しながら、不安や期待など、今の正直な気持ちを共有していきます。
解散後も、カードゲームなどで盛り上がっていました。
  • 【1日目】
  • 【1日目】

【2日目】

朝は希望者のみでお散歩に。ひんやりと気持ちいい風で目を覚ましました。

朝食はホットプレートを使って自分たちで卵やベーコンを焼いていきます。卵を割る担当がいたり、ベーゴンエッグをつくるのが上手な子がいたりと、賑やかな食卓になりました。

朝食が終わると、今の心と身体の点数をつけてチームにシェアします。「ワークが楽しみ」、「まだ眠たい」など、さまざまな声が聞こえます。チェックインを終え、昨日の振り返りをしたら本格的なワーク開始。
はじめに観光コンテンツのターゲットを考えます。今回のターゲットは高校生。具体的にどんな高校生なのか、チームで考えていきました。
そして実際に観光コンテンツづくり。「高校生がまた来たいと思える観光コンテンツ」をテーマに、みんなでアイディアを出していきます。

高校生が来たいと思う観光コンテンツ、地元の人が良いと思う観光コンテンツ、2つの立場からアイディアを見直すことで、他者の視点に立つ体験を重ねていきます。N高生が行ったことのない場所については、長門の高校生が補足したりと、自然に役割分担ができていたのが印象的でした。
中間発表では他のチームやスタッフから、画用紙いっぱいの付箋でフィードバックをもらいます。4チームそれぞれから面白いアイディアが出てきました。

ここまではチームの中だけで考えたアイディア。これが実際に地元の人から見たときにどう感じるのか、地元の方をお招きしてインタビューさせていただきました。

移住理由や長門の魅力を全員で聞いた後、チームごとにアイディアへのフィードバックをもらいます。議論や質問が白熱し、時間を過ぎても声がやまないチームが続出しました。


その後は一度ワーク会場を離れ、道の駅「センザキッチン」へ。チームごとに行動する時間を作り、観光客が実際に訪れる場所を観察してみます。チーム行動中は昼食も自分たちで選択。それぞれが好きものを好きな場所で食べていました。


宿に帰ると、ここからはラストスパート。中間発表でのフィードバックや地元の人の声、センザキッチンでのフィールドワークを参考に、もう一度観光コンテンツを見直していきます。最終発表に向けてみんな真剣です。

そしてとうとう最終発表。各チーム、考えた観光プランを発表しました。最後は地元の方から講評をいただき、観光コンテンツづくりは終了。発表を終えた生徒の表情からは達成感が感じられました。

最終発表を終えた後は、ここまでの振り返り。チームごとに部屋に分かれ、キャンドルを囲んで今の気持ちや感想をチームでシェアします。ワークを通してチームの中で信頼関係ができているからこそ、話せることもありました。

最後は地元の方にごはんを作っていただき、一緒に夕食。彼らからはN高についての質問も飛び交い、生徒たちは嬉しそうに応えます。
翌日は月曜日で学校ということもあり、地元の高校生はここで解散。昨日の緊張した面持ちが嘘のように、「楽しかった」と笑顔で帰って行きました。

長門の高校生が全員帰ると、人数が減って寂しく感じます。最終日の明日は、2時間の自由行動が予定されています。そこで、残ったN高生で円になり、行きたい場所やどうやって過ごしたいかを10人で決めることに。
グループワークで培った協働する力が試される瞬間です。
明日の予定も決まり、就寝。観光コンテンツづくりで疲れ切っていたのか、みんなあっという間に寝てしまったようでした。
  • 【2日目】
  • 【2日目】

【3日目】

ついに最終日です。朝食を食べた後、昨夜みんなで計画した場所に繰り出します。朝は雨が降っていて天気が危ぶまれましたが、出かける頃には止み、天気も味方してくれているようでした。

最初に訪れたのは大浜という長門の中でも大きくて水のきれいな海水浴場です。「映える写真を撮ろう」とみんなで思いっきりジャンプ!風が強く寒かったのですが、生徒たちは負けじと楽しんでいました。

大浜の次は、最も「行きたい!」という声が多かった元乃隅神社。ずらりと並んだ鳥居は圧巻です。写真を撮ったり眺めを楽しんだりしながら、みんなで長い上り坂と階段を制覇しました。その後は「日本一お金が入れにくいお賽銭」とも言われるお賽銭投げにチャレンジ。最後はおみくじを引き、みんな存分に長門を満喫できたようでした。

宿泊先に帰ってくると、地元の方が牛丼を作って待っていてくださいました。長門での最後の食事です。

最後はみんなで円になってチェックアウト。スタッフが作った2泊3日の振り返り動画を見た後、3日間の感想やみんなへのメッセージを一言ずつ述べ、長門での職業体験は無事に終了しました。

2泊3日という短い期間、さらにはほとんどの人が初対面という中で、グループワークを重ね、ミッションを達成したことは本当に素晴らしいことだと思います。

今回、長門で出会った人や得た学びは、生徒たちの生活や考え方に少なからず影響を与えたことと思います。日常に戻っても、この体験を思い返しながら歩んでほしいと願っています。
  • 【3日目】
  • 【3日目】