角川ドワンゴ学園では、さまざまな事情により出勤が困難な方でも、リモートワークで安心して働ける「シングルマザー採用」があります。実際にこの制度を活用し、2人のお子さんを育てながら、仕事に、そして教員免許取得に邁進している沼澤さんにお話を聞きました。
スポーツカメラマンをしていました。全国を飛び回って撮影していたので、やはり子育てとの両立は難しくて。ひとり親になったこともあり、勤務時間の決まっている商品撮影の会社に転職しました。
実は転職とほぼ同時に、通信制の大学で社会福祉を学び始めたんです。貧困問題や発達障害について学ぶ過程で、子どもの教育について興味を持つようになりました。次は教育業界で働きたいなと思っていたところ、ちょうど卒業のタイミングで角川ドワンゴ学園がシングルマザーも対象にしたリモートワーカーを募集する、というニュースを見て。「これだ!」と思い、すぐに応募しました。
子どもたちと接する時間を取れるようになりました。通勤していた時間を家事に充てられるので、その分夕方や夜に宿題を見たり、じっくり話を聞いたりできるようになって。子どもたちも「学校から帰って、家にママが居てくれるのがうれしい! N/S高っていい学校だね!」と言っていました(笑)。
その他にも、経済面でゆとりを持てるようになりました。子どもの体調不良や行事で仕事を休まざるを得ない日があっても、以前の会社では有給休暇をすぐに使い切ってしまっていたので、無給休暇が多くなってしまうんです。そうすると月によって収入に変動が生まれてしまい、生活が安定しないという不安もありました。でも学園のリモートワーク制度には「中抜け制度」というものがあり、かなり助けられました。
学校のPTAの集まりや、子どもの通院で利用することが多かったですね。1〜2時間で済む用事のためにお休みを取るのは本当にもったいなくて。中抜け分は終業時間後にそのまま残業したり、子どもの寝かしつけの前に補填することが多かったです。
毎日Slack[※]で始業と終業の報告をするので、そこで気持ちの切り替えをしています。同僚とSlackでやり取りをすることもありますし、時間が合えばZoom[※]を使ってリモートランチ会を開催することも。シングルマザー同士で働く機会が多いので、「今日は子どもが風邪をひいていて、看病しながら仕事します」と言うと、「無理しないでね!」と声をかけてくれるんです。みんなで支え合いながら働けていて、とても恵まれた環境だな、と思います。
※Slack:ビジネス向けのコミュニケーションツール。角川ドワンゴ学園では、学校で使用するICTツールのひとつとして活用。 ※Zoom:チャット機能を備えたビデオ会議システム。Slack同様、学校内のコミュニケーションで活用している。それまでの働きが認められ、正社員になれたのは純粋にうれしいです。現在は、主に教職員の方の工数を削減するサポート的な業務が中心です。生徒や保護者の方からの問い合わせ窓口の管理や、教職員向けの情報ポータルサイトの作成、パソコンなどの設定や管理、授業の質を向上するためのプロジェクトにも参加しています。そしてこれらの仕事と並行して、教員免許取得を目指して勉強しています。学校の業務に触れていくうちに、もっと深く教育に携わりたい、生徒に寄り添った仕事がしたい、と感じて。学園の支援制度を利用し、通信制の大学で学んでいます。
正直、とても大変です! 特に先日2週間の教育実習があり、日々授業を構築されている皆さんの大変さが分かりました。でも、学んでいることと日々の業務が関連しているので、「この業務は学習指導要領のこの部分を担っているんだ」と、点と点がつながる感じがして楽しいです。学園が授業料を援助してくれますし、教育実習も特別休暇扱いで給与が出たので、経済面で不安になることはありませんでした。
まずは教員免許が取れるかどうかしか考えられませんが(笑)、取得できた暁には、自分が学んできたことを生かし、子どもたちの未来のために働いていきたいです。