No.01

生徒の想像力を育むために教職員に求めていること

為野圭祐 / N中等部 通学コース運営部 部長
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沖田翔吾 / N高等学校 通学コース運営部 キャンパス長
※所属、インタビュー内容は取材当時のものです

学校法人角川ドワンゴ学園はN高等学校とN中等部を運営しており、それぞれ共通した考えのもと“新しい教育”を創っています。そこで、N高等学校とN中等部が求める教職員像とはどのようなものか、教職員たちは何を指針として働いているのか、実際のキャンパスの雰囲気はどんな感じなのかを紹介します。 所属、インタビュー内容は2019年10月取材当時のものです

TAMENO KEISUKE
OKITA SHOGO

“新しい教育”にかける想い
多彩な教育には、多彩な教職員

沖田 N高等学校が開校したのは2016年4月、N中等部が開校したのは2019年4月。同じ角川ドワンゴ学園なので、教育方針は共通していますね。

為野 違う点といえば、N高等学校は学校教育法第一条に定められた一条校ですが、N中等部は一条校ではなくプログレッシブスクールであることでしょうか。

沖田 そうですね。2020年4月からN中等部にもネットコースが新設される〔※〕ので、N高等学校とN中等部のどちらもネットコースと通学コースが揃い、生徒は自分の学びたいスタイルに合わせてコースを選択できるようになりますね。

為野 保護者のみな様からもN中等部のネットコースを待っていたという声を頂いておりましたので、期待に添えられるように尽力してきたいです。

N中等部ネットコース:ICTツールを最大限に活用し講義を行います。担任の先生との連絡や、生徒同士の学び合いにはコミュニケーションツールを利用します。ネットコースは日本全国から生徒が集まります。

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左から、N中等部ネットコース、N中等部通学コース、N高等学校通学コース

沖田 現在、N中等部にはどのような経歴を持つ教職員が勤務していますか?

為野 N中等部は、2019年にスタートしたこともあり、昨年はキャリア採用からの入職者のみでした。今後は新卒の方にも入職してほしいと考えています。現在は、教育業界出身の人もいれば全く別の業界からN中等部に入職した方も働いています。
N高等学校はいかがですか?

沖田 新卒もいればキャリア採用もいるといった感じです。キャリア採用の経歴としては、教育業界出身の方と異なる業界から入職した方が半々ですね。

為野 教育業界出身の方と、異業種からの方が一緒に新しい教育を創り上げていくことが、角川ドワンゴ学園の魅力だと感じています。
というのも、“教育がやりたい”という思いは同じですが、そこに至ったバックグラウンドが違う。だからこそ闊達な意見が交わされています。私は、多様な生徒に対して、多様な教育を行うためには、教職員の考え方も多様であるべきだと思います。

沖田 おっしゃるとおりだと思います。ネットコースや通学コースの教職員だけでなく、学校運営の本部で勤務する職員にもいろんなキャリアの方がいるのも角川ドワンゴ学園の魅力ですね。
僕は民間企業からN高等学校に入職したので、ICTツールなどのシステムが使えることが当たり前の現場にいたんです。でも、よく考えたら“全ての教室でWi-Fiが使える学校”というのは珍しいですし、もし導入しようとしたら実施までには、とてつもない月日が必要となりますよね。

為野 そうですね。N高等学校の年度末テストは今年から“タブレット試験”が導入されました。まさに、エンジニアがそばにいてくれるからこその発想だと思います。時代に合わせたツールが使えること、そして良いと思ったものをすぐに取り入れられること、それこそが“新しい学校”としては大切ですね。

沖田 ICTツールが揃っている、Wi-Fiが使える。そういう今の時代では“あたりまえ”の感覚で教育ができるのはとても素晴らしいことだと常々感じています。

明るく生徒に接する
“太陽”のような存在とは

為野 N高等学校のキャンパスでは、教職員はどんな雰囲気で働いていますか?

沖田 言いたいことが言える環境があるので、みんな明るく仕事をしていますよ。N高等学校もN中等部も同じだと思うのですが、そもそも新しい学校なので入職歴を語ったところで、みんなまだまだ浅いですからね。

為野 それはそうですね。私も運営部の部長として全体を見ていますが、やはり現場の教職員の声を聞いて、「なるほど!」と気づくことや学ぶことがたくさんあります。言いたいことが言えて、明るい環境というのはN中等部も同じです。

沖田 新卒の教職員が自分の意見をしっかりと言え、上長はどんな人の考えもしっかりと耳を傾ける文化がありますね。

為野 角川ドワンゴ学園は多様性を受け入れ、主体的に行動できるようにと考えています。生徒に「多様性を認め合おう」と言うだけでなく、教職員同士でも多様性を認め合い、それを楽しんでいます。だからこそ「そういう考えもあるのか!」と明るくなっていきますね。

沖田 先日、全国のキャンパス長が集まる研修で「キャンパス長ってどういう人がいいのかな?」と考えたんです。リーダーとしての価値観とか、いろいろ意見はでたんですけど……「太陽」という言葉がでたときに、「それだ!」となりました。

為野 いつもぽかぽか暖かくて、包みこんでくれる“太陽”。とてもしっくりきますね。

沖田 生徒の個性はさまざま。だからこそ、私たちは“明るく”生徒に接することが大切です。“太陽”という言葉から改めて気づきました。

為野 そして“太陽”であることは、キャンパス長だけでなく、教職員全員に通じる姿ですね。

常識を見つめ直す力を持ち
“挑戦”し続ける姿勢

沖田 N中等部の通学コースでは、教職員は生徒にどのように向き合っていますか?

為野 ひとりの生徒をひとりの教職員が引っ張るのではなく、キャンパスごとに教職員全員で全生徒に向き合う形を取っています。N高等学校の通学コースはどうですか?

沖田 基本的に同じですね。教職員全員で生徒達に向き合っています。教職員がひとつになって、キャンパスを運営しているという感じです。

為野 やはりキャンパスごとに在籍している生徒が違うので、求められるものが同じとは限りません。ですから、キャンパスの教職員がひとつになるというのはとても大切だと思います。
N中等部では、教職員に“トライ&エラーの精神を恐れず”と伝えています。教職員にも“新しい教育”を創ることに挑戦してほしいです。もし何かそこで困ったことがあれば、キャンパス長や周りの教職員がフォローをします。先生の個性と多様性を活かすためにも、チーム体制を整えています。

沖田 先生が何かに挑戦していると、その姿が生徒にも伝わると思うんです。「正解はひとつじゃないんだよ」というメッセージになるのではないでしょうか。

為野 そうですね。N中等部は、新しい教育、新しい先生像を創っています。教職員から出たアイディアがすぐに講義に反映されています。
教職員にとって“ゼロから創っていける”環境と言えます。“挑戦できる環境で自分が輝ける場所を見つけたい”という生徒たちが、創造力を発揮できるよう、教職員は生徒に伴走してほしいです。

沖田 教職員はファシリテーターであり、生徒の伴走者である。それは、角川ドワンゴ学園の全体で共通している考え方ですね。
では、生徒にはN中等部で何を見つけてほしいのでしょうか?

為野 “自分が何をやりたいのか”“自分が社会の何に興味や課題を持つのか”このふたつを見つけてほしいと考えています。自分の感情を知り、他者と協働し、思考法を学ぶトレーニングを通して、自分の専門性を身につけるスタートラインに立ってほしいです。

沖田 N高等学校の場合、生徒は卒業するころ社会とつながる年齢になります。だからこそ、通信制という制度を最大限に利用して日々の学習を行い、通学コースでは課題解決型学習「プロジェクトN」などでワークショップを率先して行っています。
ICTツールがあっても、それをしっかりと利用した上で、自分の考えを伝えられなければいけません。人前で自分の意見を述べられるだけでなく、プレゼンテーション、コミュニケーション、プロジェクトマネジメント力をしっかり身につけてほしいですね。

為野 沖田さんは、N高等学校で働くにあたり、自分の中で大切にしている信条や行動指針、価値観はありますか。

沖田 僕は “You must unlearn what you have learned.” という映画『スターウォーズ』シリーズに登場するマスター・ヨーダのセリフが好きなんです。「思い込みや固定観念を捨てなさい」と翻訳されています。

為野 とても奥深い言葉ですね。N高等学校には「常識を変えて、世界を変える。」というキャッチフレーズがあります。常識を変えるということは、それまで自分が生きてきたなかで培ってきたものを、新しい目線で見直さなければできませんから。マスター・ヨーダのセリフと通じるものがあるように感じます。

沖田 そうなんです。僕は、それこそがN高等学校が教職員に求めているものではないかと考えています。自分が中学生や高校生だったころの常識を、今に当てはめてはいけない。だからこそ、今の時代の教育を行い“常識を変える”ために、教職員も常に学び直し続ける必要があると思っています。

為野 私もそう思います。N中等部は2020年4月よりネットコースが新設されます。これはまたひとつ、新しいチャレンジだと思っています。今もN中等部の教職員たちは、“新しい教育を創りたい”という熱い思いでN中等部を変え続けています。この挑戦する姿に、学びたい成長したいと願う生徒や保護者が共感してくださっていると感じています。

沖田 そうですね。“教育はこうあるべきだ”という、ひとつの価値観だけで教職員が動くと、それは、生徒に対する決めつけや押しつけになってしまいます。生徒一人ひとりの個性にあわせ将来のキャリアにつながるようにしていきたいです。

為野 まさに“太陽のような存在”ですね。

沖田 はい。ぜひ太陽のような方と一緒に働き、角川ドワンゴ学園を盛り上げていきたいです。

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