
中高生の時期から株式投資の実践を通じて社会や経済の仕組みに触れる投資部。今回は、その活動の一環として実施した野村ホールディングス株式会社への企業訪問の様子と、参加生徒の感想をお届けします。
この訪問は、投資部の「基礎講座」へ野村ホールディングスがご協力いただいていることから実現しました。講座で金融業界への理解を深めた生徒たちから「実際の現場を見てみたい!」という声が多く寄せられ、学生向け金融経済教育の専門部署がある同社が快くご協力くださいました(man@bow野村の金融経済教育)。
講義で学んだ知識を現場と結びつけ、金融業界で働く方々の姿勢や価値観に触れる貴重な機会となりました。
企業訪問の様子
場所は東京・大手町にある野村ホールディングス本社。一人ひとり入館証を渡され企業訪問がスタートしました。
1.企業概要説明と質疑応答
まず、創業の歴史や、世界的な取引量の多さなど、同社の概要について説明がありました。
続いて、実際にかつて使われていた紙の株券を見せていただきました。現在は博物館でしか目にできないような貴重な資料を、目の前で見ることができる貴重な体験でした。紙の株券がデジタル化される際、その手続きのため証券会社の窓口に長蛇の列ができていたというエピソードも紹介され、スマートフォンひとつで取引ができる現代との違いに驚かされました。
質疑応答では、講師の方の入社経緯について質問がなされ、もともとは記者志望だったが、「よりリアルな経済に触れたい」という理由から野村ホールディングスに入社したというお話をしていただきました。
また、「仕事で一番大変なことは?」など学生からの質問に対しても、講師の方が丁寧に回答してくださいました。終始、和やかな雰囲気で進行し、参加生徒たちは金融業界の現場で働く方々の姿勢や考え方に触れることができました。


2.トレーディングフロアの見学
講義後は、普段なかなか入ることのできないトレーディングフロアへ。ニュースや映画で見るような、何台ものモニターが並び、人々が真剣に取引を行うリアルな空気を体感しました。引率職員も含め、皆が少し緊張しつつ、その迫力に圧倒されていました。
※トレーディングフロア:トレーダーが株式売買をしている。全国の野村證券の支店とは異なり、主な顧客は国内・海外の機関投資家(生命保険会社やヘッジファンドなど)。一日で数百〜数千億円もの株式が売買されている。
通路から見渡せる空間には、取引をする人、考え込む人、同僚と相談する人など、多様な仕事の瞬間が共存する光景が印象的でした。
また、主に、野村ホールディングスが主幹事を務めて上場した企業の役員を迎える来客用接待室も見学。落ち着いた照明とゆったりとしたソファ、トレーディングフロアを一望できる特等席は、日常とはまるで違う特別な空間でした。

部員の学びと気づき
N高3年 投資部7期生 今愛那さん
今回の企業訪問は、金融業界に興味を持ち始めたばかりの私にとって、とても楽しく充実した経験となりました。
特に印象に残っていることが二つあります。
一つ目は「金融機関では信頼が大切である」というお話です。信頼できる人に仕事が回ってくるそうです。人柄を大切にし、人材に投資する業界だと知り、人と人とのつながりで経済が動いているのだと気づきました。俯瞰して社会をみる視点を得ることができました。
二つ目は「生のデータにふれるべきである」というお話です。世の中には多くの情報が溢れていて、調べればすぐに答えが見つかるように思えても、しっかりとした根拠があるのかを自分で確認することが大切であると教わりました。人の意見を鵜呑みにせず、生のデータから自分自身で考えることが必要だとわかったため、今後は意識して物事を考えていきたいです。
実際に働いている人を見る経験は、想像していた以上に私に大きな影響をもたらしてくれました。広い視野をもち、社会を多角的に捉えられる人になるという理想に一歩近づけたと思います。
最後に
野村ホールディングスへの訪問を通じて、参加生徒は金融の世界のリアルを感じ、自らの将来や社会との関わり方を考えるきっかけを得ました。
講義でも触れられたように、投資の世界はデジタル化が進み、実態を捉えることが難しくなっています。だからこそ、現場で働く方々がどのような雰囲気や表情で投資と向き合っているのか、そのリアリティを肌で感じ取れたことは大きな刺激となりました。
文章や映像だけでは伝わらないこの経験は、参加した生徒たちにとって深い学びになったと思います。
これからも投資部では、実践を通して“生きた学び”を重ねていきます。
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