KADOKAWA・ドワンゴが創るネットの高校

マイページログイン
ネット部活

この記事をシェア

XFacebookLINE

【N高グループ投資部】日本銀行本店を見学!
歴史と技術から学ぶ「お金のリアル」

【N高グループ投資部】日本銀行本店を見学!<br>歴史と技術から学ぶ「お金のリアル」

中高生が実際の資金で株式取引を行い、社会の仕組みを学ぶ投資部。今回は、活動の一環として実施した日本銀行本店(本館)の見学の様子をお届けします。

日本銀行は「日本の中央銀行」として、私たちの暮らしに欠かせない役割を担っています。歴史ある建物に足を踏み入れ、西門の見学者入口で全員の身分証確認を経て見学がスタートしました。

日本銀行の見学

1. 日本銀行の役割と歴史

はじめに、日本銀行が社会においてどのような役割を果たしているのか、その歴史と共に説明を受けました。

2. 歴代総裁の肖像画

続いて、歴代総裁の肖像画を見学しました。多くの肖像画の背景は建物の壁などですが、第二次世界大戦時の総裁のみ背景が「青空」となっているなど、肖像画からも当時の時代背景を読み取ることができました。

3. 資料室での貴重な展示

2階の資料室には、硬貨が正確に作られているのかを確かめるために実際に使用されていた天秤や、各銀行と日本銀行の取引を記載した帳簿、始業・終業を知らせる拍子木などが展示されています。部員たちは、かつての業務風景を想像しながら、真剣な表情で見入っていました。

4. 国家指定重要文化財と免震構造

本店本館は国家指定重要文化財です。この貴重な建築を長く保存するため、地下には巨大な免震装置が設置されています。歴史を守るための最新技術についても学びを深めました。

5. 巨大な金庫室と1000億円の重み

見学の目玉である金庫室へ。成人男性数名がかりでないと開かないほど分厚い扉の先には、レプリカの一千億円や、日本銀行に返ってきたお札に偽札がないかを確かめる鑑札機などが展示されていました。部員たちはその圧倒的なボリューム感に驚きつつ、フォトスポットで互いに写真を撮り合うなど、和やかな時間を過ごしました。



6. 旧窓口の見学

最後は、実際に業務が行われていた旧窓口スペースを見学しました。高い天井やステンドグラスが印象的な美しい空間です。資料室で見た「拍子木」の音が響き、見学プログラムは終了しました。



7. お土産

見学後の売店では、一万円札の図柄がプリントされたハンドタオルが一番人気でした。

部員の学びと気づき

S高2年 投資部7期生 徳永伊駆夢さん

今回の日銀見学は、知識の習得だけでなく他の部員との交流も深まる貴重な経験となりました。
大きな学びは「銀行の銀行」としての役割です。各銀行が日銀に預けている当座預金口座を通じて決済が行われている仕組みを知り、普段私たちが利用している振込などの裏側を理解できました。

また地下金庫での模擬紙幣体験も印象的でした。1億円の重さを実際に体感し、まずはこの重さに匹敵する資産を築きたいという具体的な目標までできました。

特に強く印象に残ったのは、日銀の金融政策だけで物価を安定させることには限界があるという点です。
金融政策で主に調整できるのは需要側であり、近年の物価上昇には、円安や原材料価格の高騰といった供給側の要因が大きく影響していることを改めて理解しました。
また、日本は輸入物価の影響を受けやすい構造であることにより、金融政策の効果が十分に行き渡りにくい側面があると感じ、物価の安定を金融政策だけに頼ることの難しさを実感しました。
そこでインフレに強い投資の重要性を改めて実感することができる良い機会でした。


S高2年 投資部7期生 カボス鯛さん(Slack名)

これまで教科書上の知識でしかなかった日銀の役割を、今回の見学を通じて深く実感することができました。

旧地下金庫を利用した展示室では、最新の偽造防止技術や紙幣の管理方法を学びました。世界初のお札自動鑑査機による精巧な仕分け作業や、新紙幣に施された高度なホログラム技術など、通貨の信頼を維持するための並々ならぬ努力に驚かされました。

また、建物の歴史にも感銘を受けました。辰野金吾氏による設計図や、関東大震災の際も一日も休まず業務を続けたというエピソードから、日本の金融基盤を守るという強い使命感を感じました。

普段当たり前に使っているお金が、国家を支える大きな仕組みによって管理されている。その信頼があるからこそ市場が動いているのだと再認識しました。この経験を今後の投資活動や金融への深い理解につなげていきたいです。

最後に

日本銀行本店の見学を通して、部員たちは貨幣の歴史や金融政策が社会でどう機能しているのかを肌で学ぶことができました。

デジタル化が進む現代だからこそ、実際の建物や展示物を通じて中央銀行の重みを感じたことは、大きな刺激となったはずです。金庫内での体験や資料室での学びは、部員たちの金融リテラシーを一段と高めてくれました。

今回の気づきは、今後の企業分析や投資活動に必ず生きてくるでしょう。投資部ではこれからも、社会を立体的に捉える力を育む実践的な活動を続けていきます。

■N高グループ投資部:https://nnn.ed.jp/club/investment https://x.com/n_investors

この記事をシェア

XFacebookLINE