
7月10日(月)~14日(金)の5日間で、岐阜県にある加治田刀剣・鍛錬道場にて、8名のN高生がオリジナルの小刀を完成させました。
【初日】
岐阜県刃物会館で吉田刀匠を囲んで自己紹介を終えて、関鍛冶伝承館へ出かけて歴史的な名刀や現代刀の見学をしました。
その後、加治田刀剣・鍛錬道場へ伺い、本物の日本刀を持ってその重みや波紋に光を当ててしっかりと鑑賞できました。


【2日目】製鉄の体験
製鉄に使う炭は自分たちで6センチ程度に切り大量に準備します。刀鍛冶修行は「炭きり3年」と言われていて炭きりから始まります。
準備した炭で砂鉄を溶かすと鉧(けら=不純物を含む鉄の塊)が出来ます。鉧を水で冷やして小槌で叩くと中から極めて純度の高い鋼「玉鋼」が現れます。
この「玉鋼」が日本刀の材料となる鋼です。
炭の埃と暑さに耐えながらの作業は大変で、刀鍛冶の仕事としての厳しさを感じます。
暑さにかなわず思わず休憩する生徒もいましたが、全員が一通りの作業を体験する事ができました。


【3日目】玉鋼の鍛錬体験
鋼を熱して叩き伸ばして折り返す作業を繰り返します。
この折り返し鍛錬により折り返された鋼の炭素量の少しの差の層が美しい「波紋」になります。


【4日目】いよいよ「小刀作り」に挑戦
金槌を打つ、やすりを掛ける、砥石で研く、そして真っ直ぐに整形します。
仕上げは名切りと言い、各自の名前を小刀に刻みます。鋼の片で練習して自信がつけば自分で。不安なら刀匠に依頼して各自の名前を刻んでいただきます。
自分の名前が刻まれた小刀は、「身を守る物=お守り」となります。
完成おめでとうございます!


【最終日】
体験を振り返り、刀鍛冶体験で学んだ事を2班に分かれて発表。
吉田刀匠からは「本気で刀鍛冶になりたい人は相談に乗る」という発言が出て、参加者の奮闘ぶりをたたえていただきました。
そして、桐の箱に入れた小刀と修了証書をいただきました。
皆が前夜遅くまでかかり書き上げた寄せ書きを吉田刀匠にお渡ししてお礼をし、笑顔で無事に5日間の刀鍛冶体験を終了することができました。