
7月29日(水)、人気ボカロプロデューサー40mP氏を講師にお招きし、「40mPのみんなの夏ソングを添削する特別授業」を実施しました。
N高生と一般の方が制作した楽曲に40mPさんが直接フィードバックし、楽曲にみずからアレンジを加えながら実践的なアドバイスと分かりやすい解説をしていただきました。
※ニュース記事からも詳細をご確認いただけます。
~ ボカロP・40mPによる特別授業 ~ 暑い季節にぴったりな夏ソングを添削 添削楽曲は一般からも募集
授業は生徒からの質問に40mPさんが答えていく形で進行していきます。
「作詞においてもっと良い言葉の選び方やタブーはありますか?」という質問に対しては、「あえてセオリーやルールから離れることで心に残る場合もある」と、歌詞が聞き流されないためのさまざまな手法があることを話してくださいました。
また、生徒の「単調になってしまう」という悩みに対しては、「同じ印象を続けないことで単調さが解消され、音楽に美しさが生まれる」とアドバイス。ゴーストノート(※1)にも触れ、表現を追加することでより生に近い演奏になっていくことについてもかみ砕いて分かりやすく教えてくださいました。
※1 ゴーストノート…楽譜には記されていない「装飾音」のことで、聞こえるか聞こえないかくらいの小さい音だが、加えることで曲にグルーヴ感を生む。
「かっこいいコード進行について聞きたい」という質問には、「日常から耳コピやメモ、録音など、たくさんの引き出しを作っておくことが自分の力になる」とのこと。
さらに、ボカロの発音についても詳しく解説。40mPさんが生徒の楽曲に、しゃくり(※2)や子音(※3)の調整をすることでボカロ自体に表情の豊かさが加えられました。
※2 しゃくり…ある音程を発声する前に低い音程を出してから本来の音程に戻すテクニック。
※3 子音…ボーカロイドに歌詞を調教する際、文字を母音と子音に分割して入力することができる。
他にも全体のバランスに悩みを抱える生徒の楽曲には、40mPさんのアレンジが加えられた後、各楽器のバランスが調整され、存在感や全体的な厚みも出ました。
最後は、生徒の楽曲に「Cubase(音楽制作ソフト)」の付属音源のみで行ったアレンジを紹介。ビブラートを加えることでギターソロを演出したり、シンセサイザーでリズム感を補強するなど、とても参考になるアレンジであった上に、それぞれを詳しく解説してくださいました。
ミックス(※4)の仕上げについてもボカロの調整を例にあげ、細かくレクチャー。40mPさんのリアレンジ後には、ボーカルに浮遊感が出て、楽曲自体にはふくよかさが感じられる印象に変化しました。
これには生徒からの驚きの声があがり、反響も多く届きました。
※4 ミックス…音量を変えたり音に効果を加えたりしてバランスを調整する作業。
生徒からは創作活動についての悩みが多く寄せられており、それらに対し40mPさんは、同じように悩みを抱えていた自身のサラリーマン時代のことを話してくださいました。
「創作活動は悩む時間がほとんど。悩む時間も創作の一部」という言葉も印象的でした。SNSで音楽を発信している方へ向けたアドバイスとして、「大切なことは、誰に対して何を発信するか考えること」という力強いメッセージもいただきました。
今回の授業は、自分の作品を通じてプロの視点を学べる貴重な機会となりました。これからの創作活動にもよりいっそう力が入ることでしょう。素晴らしい作品が生まれることを心待ちにしたいと思います。
40mPさん、悩みに寄り添った具体的なアドバイスやコメントが満載の、有意義な時間をありがとうございました。
■40mP氏プロフィール
2008年からボーカロイド曲の投稿を始める。2013年GUMIオリジナル曲『少年と魔法のロボット』が、NHK「みんなのうた」にボーカロイド曲として史上初オンエア。2016年アニメ『この美術部には問題がある!』の挿入歌を提供。事務員Gと舞台「虹色オーケストラ」の制作を手がける。代表作:『Melody in the sky』『トリノコシティ』『ドレミファロンド』『恋愛裁判』『からくりピエロ』
Official HP:http://www.inametoru.com/
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