
本気で起業を目指す集団、N高起業部。
今回は起業部特別顧問・家入一真氏を招いて行われた特別講座と個別メンタリングの様子をご紹介します。
家入さんは数々のサービスを世に送り出してきたシリアルアントレプレナー(連続起業家)であり、現在は株式会社CAMPFIRE(以下、CAMPFIRE)の代表を務められています。
2月に行われた特別講座では、家入さんの半生を振り返りながら、起業やサービスに対する向き合い方についてお話しいただいた後、起業部部員からの質問にお答えいただきました。
■家入さんの半生と起業
家入さんは、引きこもりの経験や、仕事が長続きしなかった過去を振り返り、ご自身の半生を「逃げ続けた人生」と表現されています。その上で、人生にはライオン(=いじめや 馴染めない環境など)がたくさんいる。逃げることは防衛本能であり、悪いことではない、と肯定的に捉えているそうです。
起業によって自らの居場所を見つけ、同世代の若手起業家たちに出会い、大きな刺激を受けたという家入さんですが、ご自身が手掛ける事業は、身近な人を思い描いて、その人の困りごとに向き合い「手紙を書くように」サービスを作るとのこと。「自分だからやる意味がある」ことを意識されているそうです。
■若手起業家への思い
エンジェル投資家(創業まもない起業家に対して投資を行う個人投資家)の顔も持つ家入さん。最近は高校生起業家に投資することもあるそうです。
「起業という選択肢が当たり前のようにあれば自分もその道を選んだかもしれない。若くして起業した、ということが圧倒的な価値になる」とのこと。
インターネットの普及により”表現の民主化”が進んだ今、チャレンジを評価する世の中をつくっていきたいという思いがあるそうです。
■起業部員からの質疑応答
質疑応答タイムでは、起業部員7名からの質問に答えていただきました。
その中の一部をご紹介します。
Q:仲間の集め方や思いを共有するために心掛けていることはありますか?
「思いや哲学を発信し続ける」
自分たちが事業をする意義を、仲間に対してだけでなく、外部に対しても言い続けることが大切。SNSなど使えるものはすべて使って発信し続ける。そうすることで思いや哲学が、チーム内に浸透していきます。言語化することが重要です。
Q:昨年CAMPFIREでクラウドファンディングに挑戦しましたが、目標金額が達成せず、悔しい思いをしました。クラファンを成立させる上で気を付けることはありますか?
「支援者を“仲間”にすること」
伝えたいポイントが二つあります。
一つ目は「3分の1」ルールです。達成したい金額の最初の3分の1は家族や友だち、親戚など、身の回りの人にお願いします。お願いをしに行って目の前で支援してもらうくらいですね(笑)。
次の3分の1は最初にお願いした人たちからその友だちや知人に拡散してもらいます。そのようにして支援金額を積み上げていき、最後の3分の1はその他の一般の人や、面識のない人からの支援を受けられるようにします。
ポイントの二つ目は「共犯者」をつくることです。共犯者とは、他の人に「ジブンゴト化」してもらうことを意味します。
以前、CAMPFIREで「古民家を改修してカフェをつくる」というクラファンに挑戦し、成功させた人がいました。
その時に設定されたリターンは、なんと、そのカフェの壁の色を塗れる権利。支援者たちは自分たちが塗った壁を自慢したくて、クラファン支援に留まらず、壁の色塗りへの協力をしてくれたり、開店後のカフェに友達を連れてきてくれました。
支援者自身にプロジェクトメンバーや仲間の一員だと思ってもらうことが、クラファン成立の成功要因の一つです。
最後に家入さんより、起業部員へメッセージをいただきました。
「実現したい世界をつくるために逆算して、今日すること、明日することを、積み重ねていくことが大切。それが1年後、10年後につながっていきます。大きな野望をどう実現するかは、一日一日の積み重ねにかかっています」
起業部のメンバーとして、起業という大志を描きつつ、人生の1ページ1ページを大切に積み重ねていきたいですね。
家入さん、貴重なお話をありがとうございました。