
11月8日から12日の4泊5日、佐賀県の武雄市図書館にて5日間の図書館司書の職業体験を行い、北海道、関東、関西在住の生徒8名が参加しました。
武雄市図書館は武雄市がカルチュア・コンビニエンス・クラブ株式会社に公立図書館の運営を委託し、全国でも先進的な取り組みを行っている有数の図書館です。
利用者数の約半数は市外の利用者であり観光名所にもなっているとのことです。

こちらは2017年にオープンした武雄市図書館併設の武雄市こども図書館です。
「"遊び"から"学び"」をコンセプトに、全力でこどもの成長をサポートする施設として設立されました。
ここでは絵本などの児童書を中心に、2000冊の蔵書や1000枚以上のCD/DVDを利用することができます。


今回の職業体験では、
「司書の仕事を体験する」
「こども図書館で絵本の読み聞かせに挑戦する」
という2つのテーマのもと、図書館司書の仕事を学んでいきます。
5日間で行われるプログラムの中で、生徒たちは武雄市図書館の数十万冊におよぶ蔵書管理を体験しつつ、合間の時間に「読み聞かせ」で使う本の選書や練習を行うなど、スケジュールはかなり忙しいものになりました。
【ブリーフィング(概要説明)】
まずはブリーフィングにて図書館長より、武雄市図書館についてお話いただききました。
図書館が持つ役割や、武雄市での取り組みなどを学びました。

【館内の見学】
続いて、職員の方に引率していただき、館内各所を見学して回ります。
広くキレイな館内に生徒たちもワクワクしている様子。館内のどこにどのようなジャンルの本があるのか、注意深く観察しながら見学していました。

【朝礼への参加】
武雄市図書館では毎朝8時に朝礼を行っているとのことで、今回の体験では生徒たちも朝礼に参加させていただきました。
日々の業務に関する報告や館長のお話など、真剣に耳を傾けます。
緊張感漂う朝礼の空気に触れ一日の「仕事」の始まりを肌身で感じる生徒たち。

【接客対応・子どもたちとの交流】
図書館には市内外から毎日多くの方が訪れます。貸出、返却、案内など利用者さんによってその目的は様々。
本の貸出やご案内などを通じて図書館に訪れた利用者さんの調べもの、探しものをサポートします。
職員の方に教えて頂きながら、図書館での接客対応を学んでいきました。
また、こども図書館では訪れていた子どもたちとトランポリンで交流しました。
様々な形で図書館を身近に感じて貰い、本と関わる機会をつくるのも大切な仕事の一つです。


読み聞かせに使う絵本の選書について、打ち合わせを行う生徒たち。
読み聞かせへの緊張からか協議が紛糾する場面もあり、真剣な取り組み姿勢が伝わってきました。


そして、いよいよ読み聞かせ本番。
会場には子どもたちを始め、多くの方々がお越しくださいました。

練習の成果を遺憾なく発揮し、心を込めて絵本を読み進めていきます。
子どもたちが飽きないように、途中で「手遊び」を入れるなど、工夫を凝らした読み聞かせを行っていました。
最後には観に来ていただいた皆様から盛大な拍手を受け、読み聞かせは大成功のうちに幕を閉じました。

参加生徒者からの感想を紹介します。
「図書館司書という体験でしたが、仕事そのものについて知るだけではなく、全く知らない場所で全く知らない初対面の人と5日間一緒に過ごすという普通では経験できない機会でした。普段の生活では気づかないような自分の一面や性格、人間関係の築き方など新たに得るものが多かったです。」
「子どもへの読み聞かせや参加者同士の共同生活で、自分の殻を破らざるを得ない状況に立たされ、自分が変わるきっかけとなりました。」
「司書とは、図書館で本の管理をしている職業というわけでなく、子どもへの読み聞かせや、図書館に人を呼ぶ企画の考察、本だけでなく図書館全体の管理を担っているものだと知りました。」
「司書資格を取りたいと思いましたが、実際司書になるのはいばらの道だと聞きました。厳しい倍率のようですが、それでも自分に何か特筆できるような長所を得られたなら、司書の人生に挑戦してみるのもいいと思いました。」
図書館は多くの人々にとって身近な存在ですが、「図書館司書」の仕事を知る機会はなかなかありません。
5日間に渡って行われた職業体験の中で生徒たちは「図書館司書」という仕事について深く学ぶことができました。
接客対応や蔵書管理、日々の業務への取り組み姿勢など今回の体験で学んだことは、司書を目指す生徒だけでなく、また別の職業を目指す生徒にとっても有意義なものになったのではないでしょうか。
今後も学びを深め、将来の可能性を広げていってほしいと思います。


