
※このブログは、千葉キャンパスの1年生、谷﨑さんに書いていただきました。
9月10日(月)、プロジェクトNの特別授業として慶應義塾大学 総合政策学部准教授の中室牧子さんに特別授業をしていただきました。
〈中室牧子さんについて〉
1998年、慶應義塾大学卒業。米ニューヨーク市のコロンビア大学で学び、専門は経済学の理論や手法を用いて教育を分析する「教育経済学」。日本銀行や世界銀行での実務経験があり2013年から現職。産業構造審議会等、政府の諮問会議で有識者委員を務め、著書「『学力』の経済学」は発行部数累計30万部のベストセラーとなっています。

今回の特別授業のテーマは「思い込みにとらわれない為のエビデンスアプローチ ~8キャンパス同時で行う実験を通じて体験しよう~」ということで、「エビデンス(根拠)」に基づいたアプローチについてワークを通じて学びました。

まず最初に「2人組のペアになり、5分間で折り鶴を何羽つくれるか」というワークを行いました。
ワークを行う前に、条件が与えられました。
「Aチームで1番鶴を折れたペアには報酬があり、Bチームには報酬がない。」
というもの。この条件のもとで、5分間折り鶴を作り続けます。目的は「報酬があるチームと無いチームで折った鶴の数に違いが出るか」について検証すること。
そして結果は……。
・報酬があったAチームは、平均6.5羽
・報酬がなかったBチームは、平均4.7羽
たった5分間でも、両者の生産性にはかなりの違いが出ることが分かりました。

中室先生は講義の中で、「インセンティブ(動機)があるかどうかが経済学において人を動かす重要な要素である」ということをお話されていました。
単純作業では、お金による報酬はパフォーマンスをあげるが、考える力を必要とするような作業(例えば、出身高校をよくするアイデア出しなど)では、お金による報酬はかえってパフォーマンスを下げてしまうということです。
先程の「鶴を折る」という単純作業では、報酬があったチームのほうが多く折ることができました。

理論として学ぶだけでなく、実際にワークで手を動かして仮説を検証することで、多くの生徒がエビデンスの大切さを実感していたようでした。