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課外学習・体験学習

【体験学習レポート】地域プレイヤーに1日密着!
香川県三豊市を盛り上げる立役者たちに弟子入り体験

【体験学習レポート】地域プレイヤーに1日密着! 香川県三豊市を盛り上げる立役者たちに弟子入り体験

2024年8月26日(月)〜8月29日(木)にかけて、「地域プレイヤーに弟子入り!起業家の新しい姿を学ぼう!〜オシゴト体験プログラム in 香川県三豊市〜」を実施しました。
このプログラムでは、香川県三豊市にて活躍する「地域プレイヤー」と呼ばれるアーティストや伝統産業の担い手のほか、まちづくりに貢献する方々と共に、農家、カメラマン、不動産などのお仕事にチャレンジし、新しいキャリアの考え方を学びました。

今回のプログラムはN/S高の1〜3年生14名が全国から集まり実施しました。

<日程>
8月26日(月) 現地集合、6名の地域プレイヤーによるプレゼン
8月27日(火) 体験型宿泊施設「UDON HOUSE」にてうどん作り体験、父母ヶ浜の散策
8月28日(水) 6名の地域プレイヤーに弟子入り
8月29日(木) 台風10号接近に伴い、早期解散
※当初8月29日(木)、8月30日(金)に実施するプログラムあり

■1日目 現地集合・6名の地域プレイヤートークセッション

本プログラムでは、全国から集まる生徒がスムーズに集合できるように、飛行機組は高松空港、電車組はJR詫間駅を集合場所としました。
飛行機組も電車組も、全員が時間通りに集合できたおかげで、順調な滑り出しとなりました。

電車で来た生徒は、事前にチャットで連絡を取り合い、同じ電車に乗ったので、集合場所に到着する前からすでに親しく打ち解けていました。
会場に到着後、アイスブレイクを交えながら、6名の地域プレイヤーによるプレゼンテーションを聴きました。
地域プレイヤーの方々の経歴や背景、三豊市の取り組みについてお話しいただき、仕事に対する考え方や姿勢を学ぶ機会になりました。
このプレゼンテーションを聞いて、生徒は自分の興味関心に基づき、3日目にどの地域プレイヤーに弟子入りするかを決めました。

プレゼンテーションの休憩時間に、三豊市の観光名所「父母ヶ浜」を訪れ、その歴史や成り立ちについて学びました。

三豊市や地域プレイヤーの活動に関して理解を深めた次は、参加者同士の親睦を深めるためのパーティーを開催しました。
美味しいオードブルに囲まれた夕食に、会場のカラオケ設備での熱唱と、生徒たちは楽しく過ごしました。



■2日目 体験型宿泊施設「UDON HOUSE」にてうどん作り体験、父母ヶ浜の散策

2日目は、地域プレイヤーの原田さんが運営する、讃岐うどんの文化と歴史を学ぶ体験型施設「UDON HOUSE」でのうどん作り体験から始まりました。
生徒はUDON HOUSEのエプロンを着て、ウキウキした気分でうどん作りに臨みます。

うどん作り体験では、こねる、踏む、ねかせる、のばす、切るといった工程を体験しました。
生徒たちは愛情を込めて、自分たちの手でうどんを完成させていきます。

うどん作り体験について、生徒からは以下のような感想が寄せられました。
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●Nさん
うどんを作る過程で、生地を踏んでタンパク質が結びつくことでうどんの生地が圧力に対して反発するのですが、そのことを「反抗期」と形容していたことが面白かったと記憶しています。

●Yさん
うどん作りは生地を寝かせる時間も含めて6時間ほどかかりましたが、空いた時間にはうどんの歴史や食べ方の種類等の座学があったので退屈することはありませんでした。最後に出来上がったうどんは非常に美味しく、自分は3玉も食べてしまいました。
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生徒たちは五感を使ってうどんを学び、作りたてのうどんの美味しさを実感していました。

うどんを寝かせている間に、農家の森岡さんの農園へ向かいます。
農業に触れたことのない生徒たちにとって、農作物に実際に触れながら農家さんのお話を聞いて学ぶ貴重な機会となりました。
また、森岡さんが作った色鮮やかなバタフライピーティー※を試飲し、その香りや味わいを楽しみました。
※バタフライピーティー…マメ科の植物で青いハーブ「バタフライピー」から作ったお茶のこと。


農園見学について、生徒からは以下のような感想が寄せられました。
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●Nさん
雑草がたくさん生えていて少し困惑しましたが、そういう農法と聞いて驚きました。自然農といって極力手を入れずに自然の循環に任せようというもの。また、ソーラーシェアリング(太陽光発電設備の下で農作物を育てるという取り組みで、持続可能なエネルギーと農業を両立させる方法)やコンパニオンプランツ(植物の相性を考えて育てる方法)など新しい考え方を知ることができて、興味深くとても面白い体験でした。
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活動が終了した後、生徒たちは再び父母ヶ浜に。

散策しながら、海で楽しく遊んでいる姿は、まさに青春そのもの。

中には石を投げて「水切り」をして遊んでいる生徒もいました。

■3日目 6名の地域プレイヤーに弟子入り

3日目は、生徒たちが自分で弟子入りを決めた地域プレイヤーのもとで、お仕事を体験しました。
どのような体験をして、どのような学びを得たのか、地域プレイヤーごとに生徒の感想と共に見ていきましょう。

地域プレイヤー1人目 島田 真吾さん


あだ名は“空き家王子”
矢継ぎ早に立ち上がる街のプロジェクトや移住相談の不動産領域を担当

島田さんに弟子入りした生徒は、三豊市内のフィールドワークを体験。
空き家に見える物件の写真を撮り、空き家マップを作成しました。

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●Nさん
島田さんの車に乗せていただき実際に街を巡りながら、空き家の判別方法でポイントになる所をいくつか教えていただきました。そのあとは仁尾町で空き家に見える物件をひたすら写真を撮っていくというフィールドワークをして、それぞれが集めた空き家の情報をグーグルマップにピンを立てて作成する「空き家マップ」に取り組みました。
そのマップをもとに、島田さんが気になったいくつかの物件を再び巡って所有者の方の自宅まで訪問しに行き、まさに「仕事」に同行する貴重な経験もさせていただきました。


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地域プレイヤー2人目 今川 宗一郎さん


「株式会社ウルトラ今川」を経営
宗一郎珈琲」、「宗一郎豆富」、「鮨酒場 南」など複数の事業を展開

今川さんのチームでは、今川さんが経営しているコーヒースタンドやゲストハウスなどの施設を見学し、施設のコンセプトや誘客の取り組みなどを学びました。

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●Aさん
宗一郎さんのお話を伺い、仕事への概念が変わりました。私は今まで仕事=大変というイメージでした。しかし、宗一郎さんは仕事を仕事としてやるのではなく、「やりたいことやった結果仕事になっている。仕事=楽しいものであり、自分のやりたいことを現実にするもの」とおっしゃっていて、こんなに楽しそうに仕事をする人がいるのかと感動しました。そして「自分の好きな人に囲まれながら仕事をすることが幸せ」という話を聞いて私もそのように仕事をしたいと強く感じました。

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地域プレイヤー3人目 田島 楓さん


暮らしの交通株式会社」代表取締役
地方の子どもたちの交通難による選択の格差の是正を目指す

田島さんのチームは、田島さんが運営する交通サービスについて理解を深めました。

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●Hさん
「移動格差による学びの格差」をテーマに、地域での教育機会を広げるための活動を行っているというお話をしていただきました。また、地域の高齢者や困っている人々を支援する「まごころサポート」という取り組みもされており、そのシステムやアイデアにとても感銘を受けました。
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地域プレイヤー4人目 横山 裕一さん


瀬戸内ReFarming株式会社」代表取締役
農業や移住をスタートする人の支援に取り組んでいる

横山さんのチームは、野菜の収穫体験から包装作業までを行いました。
農業の一連の流れを体験することで、自分たちが普段食べている野菜の大切さを学びました。


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●Mさん
野菜を自らの手で収穫し、梱包、出荷するという体験は、自分が生産者の側に立ったような気持ちになれる、非常に新鮮で多くの学びを得られる体験でした。野菜の収穫の際にもさまざまなお話を伺え、収穫量や野菜の質を高くするための知識や、農家の苦労、喜びについて学ぶことができました。

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地域プレイヤー5人目 小玉 祥平さん


香川県三豊市教育センター長
探究学習・協調学習・学習ICTの公教育現場への実装などを推進
https://shoheikodama.notion.site/

小玉さんのチームでは、午前中に市役所の見学を行い、午後は三豊市にある市民大学「瀬戸内暮らしの大学」にて、ご当地スポーツをつくるワークショップに参加しました。

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●Yさん
市役所見学をして、小玉さんの職場環境や市役所の現在までの簡単な遍歴を教えていただきました。小玉さんの運営するプラットフォームの一部である「みとよ探究部」の皆さんと大阪成蹊大学の学生さんが企画したご当地スポーツを考えるイベントに参加しました。このイベントで行った活動は大きく分けて二つで、一つ目は三豊市の中を歩いて回り歴史について実地調査をすること。次にそこで得た学びをもとに班に分かれてスポーツを考えることが二つ目です。どちらの活動も今まで知らなかったことに満ちており、非常に有意義なものとなりました。ちなみに私の班で考えたスポーツは「オレンジジュース絞り選手権」でした!
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地域プレイヤー6人目 藤岡 優さん


合同会社Fizm」代表
「三豊の歴史は俺が撮る」をキャッチコピーに地元で活動するプロカメラマン

藤岡さんのチームは、スタジオでカメラマンのお仕事を体験しました。

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●Rさん
藤岡さんへ弟子入りしたのは私含め3人で、「八咫スタジオ」という藤岡さんの仕事場で多くの時間を過ごしました。
午前は座学。カメラや写真などに関する知識、技能を教えてもらい、他にも起業に関する悩みなどを相談しました。いつでも親身に聞いてくださって、自然とポジティブで前向きな姿勢になるくらい、話をしていて楽しかったです!
午後は実際にカメラを使わせていただき、代わりがわりモデルになって写真を撮り合いました。画角や明度などのカメラ側の調整と、照明や小道具などの環境の調整をみんなで話し合って決めたりもしました。とても貴重な体験ができて良かったです!

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以上、6人の地域プレイヤーのもとに弟子入りをした様子でした。
その日の最後は、海が見えるカフェに集まり美味しいディナーを楽しみました。

本来は、4日目・5日目のプログラムも予定していましたが、台風10号が香川県に接近していたため、生徒の安全を考慮して、翌日に早期解散することになりました。

■オンライン発表会

本来は5日目に予定していた発表会を延期し、9月24日(火)にオンラインで実施しました。
自分たちが感じたことや考えたことを言語化すると共に、お世話になった地域プレイヤーの皆さんに感謝の気持を伝えました。



最後に、参加した生徒の感想を紹介します。
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●Rさん
今回、課外活動に初めて参加しましたが、参加して良かった、ご縁があって良かった、と心の底から思います!今までやりたいことがあっても「どうせ自分には……」と心のどこかで思っていた部分があったり、周りのことを考えて遠慮したりしていましたが、自分の思い、考えに自信をもって生活していこうと思えました。


●Iさん
地域プレイヤーの方々がやっていたようなことが、自分の住んでいる町でも再現できそうだなと感じ、今まで何の気無く見ていた町も地域活性化という視点で見て考えると、見慣れた風景もまた違ったように見えてきて面白そうだなという、三豊に行っていなかったら考えもしなかったであろう視点で町を眺められるようになりました。


●Aさん
三豊市はさまざまな人がチームになって作り上げた文化や、これからチームで作り上げていく街が本当に魅力的でした。そして、地域プレイヤーの方々のような考え方の人たちが作る三豊市は大変興味深く、楽しいものでした。本当に貴重で楽しい体験をすることができました。
参加して良かったです!


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台風の影響で早期解散とはなりましたが、三豊市での生活や地域プレイヤーとの交流を通して、土地・人の魅力を知り、新しいキャリアの価値観を学ぶ貴重な機会になりました。
N/S高では今後もさまざまな企画を行い、生徒の体験学習をサポートしていきます!

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