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「IT国家」と「環境保全」を両立するエストニアってどんな国?
技術と歴史から紐解くスタディツアー

「IT国家」と「環境保全」を両立するエストニアってどんな国? 技術と歴史から紐解くスタディツアー

2024年9月15日(日)から9月20日(金)にかけて、「エストニアスタディツアー」を実施しました。

このツアーでは、デジタル先進国であり、2023年度欧州グリーンキャピタルアワード(※1)に選出されたエストニアの「DX(デジタル・トランスフォーメーション)(※2)」や「環境保全」に関する取り組みを学び、自分は・日本はどう行動すべきかを考えます。
※1 都市部の環境改善と経済成長を両立させ、人々の生活を向上させる地域の取り組みを称える賞。
※2 デジタル化により社会や生活の形・スタイルが変わること。

<スケジュール>
9月15日(日) 羽田空港集合・出発
9月16日(月) フィンランドを経由し、タリン空港に到着。タリン歴史地区を散策。
9月17日(火) e-Estonia Showroom(※3)、タリン大学などを訪問、World Cleanup Day(※4)の代表と海岸でクリーン活動を実施。
9月18日(水) タリン工科大学、LIFT99(※5)、占領博物館などを訪問。
9月19日(木) タリン歴史地区を散策後、タリン空港へ移動・出発、フィンランドを経由。
9月20日(金) 羽田空港到着・解散
※3 エストニア政府が運営する、電子政府の取り組みを紹介しているショールーム
※4 エストニアの市民運動からはじまり、今では国連加盟国の90%が参加する清掃活動を取りまとめている団体
※5 タリンのTelliskivi Creative Cityにあるスタートアップのためのコワーキングハブ

ここから、ツアーの様子をレポートしていきます。


【Day1】
19:30、全員遅れることなく羽田空港に到着!
まずは経由地のフィンランド ヘルシンキ・ヴァンター国際空港に向けて、約12時間30分のフライトです。

 


「時差ボケ解消のために頑張って起きていよう!」と映画を見たり、外の景色を眺めたりする参加者もいれば、単語帳で勉強しながら過ごす強者も…!?

次の日の早朝、フィンランド ヘルシンキ・ヴァンター国際空港に到着しました。


薄暗く肌寒い中、飛行機を乗り換えて目的地タリン空港へ。
小型の飛行機は他の搭乗者がほとんどおらず、ほぼ貸し切り状態!

合計約13時間のフライトを経て、無事にタリン空港に到着しました。

到着後、緑のスマートカードをゲット。
日本の交通系ICカードと同様、スマートカードに入金しておけばタッチ決済で公共交通機関が利用できます。
ちなみに、タリン市民は公共交通機関の利用が無料とのこと。


早速スマートカードを利用し、バスに乗ってホテルへ。
朝食を食べ、長いフライトの疲れを癒すため、それぞれの部屋で少し休憩したあとは、ついにエストニアスタディツアーが始まります。

最初の目的地は世界遺産にも登録されているタリン歴史地区。


この歴史地区には旧市庁舎のある「ラエコヤ広場」をはじめ、丘の上にある「トームペア城」やロシア正教の「アレクサンドル・ネフスキー大聖堂」、エストニア最古の大聖堂である「聖ニコラス教会」があります。
それぞれの歴史や建設された経緯について、エストニアに住むガイドさんから解説をしていただきました。


アレクサンドル・ネフスキー大聖堂は実際に中に入って見学することができました。
写真撮影やおしゃべりはNGのため、参加者はそれぞれじっくり静かに教会を観察していました。


こちらはソ連の諜報機関(KGB)が以前使用していたとされる建物の前です。
ガイドさんが子供の頃、KGBに怯えながら生活をしていたという話を実体験を交えながら話してくださいました。


最後に、「太っちょマルガレータ」と呼ばれる砲塔の前で集合写真を撮りました。


世界遺産のタリン歴史地区散策から始まったスタディツアー、1日目はこれにて終了です。


【Day2】
2日目、まずは最先端技術を取り入れているスマートシティとして有名なウレミステ地区へ向かいます。

 


ウレミステ地区にある「e-Estonia Showroom(e-エストニア ショールーム)」を訪れ、エストニアの電子システムについてレクチャーを受けました。


「電子ID」とは、国民一人一人に紐づけされている番号のことです。
エストニアではこの「電子ID」を使うことでほとんどの手続きがオンラインで完結します。
国としてどのようにサービスを利用しているのか、電子国家と呼ばれるまでの歴史や問題・対策などについて学びました。


レクチャーを終えた後は、「The Tallinn Song Festival Grounds(タリン歌の広場)」を訪れました。
バルト三国がソ連からの独立を目指した「歌う革命」の舞台でもあり、独立した今でも5年に一度、ここで歌の祭典が開かれています。


次にタリン大学を訪問。


大学で日本語を学ぶ現地の大学生と交流を行いました。
参加者たちは直前まで不安そうな表情をしていましたが、交流が始まるとクラス全体から笑顔があふれ、とても楽しく会話をしていました。

写真を見せながら日本について説明したり、エストニア語を日本語で教えてもらったり、さまざまな交流を行いました。
日本からの漫画やシールのプレゼントも無事に渡すことができ、現地の学生はとても喜んでくれました。

 


大学生とお別れをしたあとはヴィームシへ移動し、海岸で「World Cleanup Day」の代表の方とお会いしました。


World Cleanup Dayという世界中で清掃活動を行う団体の代表のヘイディさんに来ていただき、活動を始めた理由や現状の課題点、今の目標についてお話をしていただきました。
お話を聞いたあとはみんなで協力して海岸のクリーン活動を行いました。


海岸だけでなく、林や草むらの中までしっかりとゴミを拾いました。

みんなでがんばった結果、ゴミ袋5つ分以上のゴミを集めることが出来ました!


【Day3】
3日目はタリン工科大学からスタート。


タリン工科大学に入り、まずはカフェテリアへ向かいました。
そこで目に入ったのが「KioskGo」。
こちらは「Amazon Go型店舗」と呼ばれる、店内に設置したカメラ映像などをAIが解析して、来店者が手に取った商品を認識し退店時に自動的に決済される仕組みのお店です。


最新の売店に興味津々!
実際に買い物に挑戦する参加者も。

 


続いて、大学構内にある「Mektory Innovation Center」を訪問しました。

 


ここでは衛星や遠隔操作ロボットなど最新テクノロジーの開発が行われています。
さまざまな企業が施設の運営に出資しているため、企業が施設内の会議室を使ってミーティングを行うことも。

壁に描かれた大きな世界地図には、世界各国から施設を訪れた人々が書き込みをしており、参加者も訪問した記録を残すために書き込みを行いました。

 


次はテリスキヴィ地区に向かい、マーケットでお昼ご飯を食べます。


マーケットにはたくさんの果物や野菜が並んでいました。


思い思いの食事を購入して実食。
どれもサイズが大きくて食べ応え抜群でした!

 


お昼ご飯を食べたあとは、コワーキングハブ「LIFT99」を訪れました。
LIFT99は、エストニアの多くのスタートアップ企業が集まるコワーキングハブです。

エストニアでは多くの企業がスタートアップを支援しており、その支援が多くのユニコーン企業(※6)を育てることにつながっているそうです。
※6 評価額が10億ドル以上の未上場スタートアップ企業。


実際にどのような支援が行われているのか、どういった企業がLIFT99を利用しているのかなどについて、マネージャーのイリナさんにプレゼンをしていただきました。

 


次に、ソ連による占領とエストニアの独立と自由について知ることができる「占領博物館」に行きました。
こちらは占領博物館の前にあるスーツケースのオブジェです。


これは、シベリア大量送還のシンボルです。
当時人々は数分で物を詰めて家を出なければならず、移送先のシベリアで苛酷な労働を強いられたそうです。

音声ガイドを聞きながら展示物を見て回り、エストニアがIT先進国になるまでの深い歴史と背景を学びました。

ここで、3日間お世話になったガイドのエリさんとはお別れです。
ありがとうございました!


【Day4】
いよいよタリンから帰国する日です。

この日は歴史地区で自由行動!
お土産をたくさん買いました。


そして最終日のお昼は素敵なお店でヨーロッパ料理をいただきました。


スタディツアー参加者は全員初対面でしたが、4泊6日のツアーを一緒に乗り越え、仲を深めることができました。
最終日には参加者同士でツアーの思い出話をしたり、買ったお土産の話をしたりと、楽しそうに会話をする様子が印象的でした。

最後に、参加した生徒たちの声を紹介します。

Yさん
仕事の概念が一気に変わった。高校生でも自分で起業したり、ワークスペースのような場所(LIFT99)で様々な国籍の人と意見交換したりする働き方もいいと思った。私にとって凄く新鮮だった。エストニア人のような自由で心の底から仕事が楽しいと思える働き方はとても素敵だと感じた。

Tさん
将来を考える大きな一歩になった。全く知らない高校生と5日間過ごすということで仲をより深める方法や、みんなとどんな話題を話したらいいのかとても自分の中で勉強になったし、新しい関係をつくり、ともに同じ体験をすることが今後の楽しみになった。エストニアが電子国家ということもあり、日本との違いも実感できて楽しかった。

Mさん
エストニアの歴史文化的背景がIT、しいてはスタートアップ育成に力を入れるマインドにつながっていることがわかり、学べることが多くあった。何かを始めるときにいろいろなバックグラウンドを持っている人がまわりにいることが重要だと思った。これらの学びを通じてさらに自分のキャリアを考える機会になったと思う。


いかがでしたか?
このスタディツアーではエストニアのITと環境保全について学び、自分がどう動くか、考えるかに焦点を当てて学びました。
参加者がそれぞれが思い描く未来のITをどのように実現していくのか、これからが楽しみです。
今回も、現地でしか体感することができない貴重な機会をとおして、参加者たちは多くの気づきや学びを得られたことと思います。
今後もさまざまな企画を行い、生徒の体験学習をサポートしていきます!

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