
※このブログは、N高ネットコース3年生・齋藤凱さんと、S高京都四条烏丸キャンパス3年生・小林凛々子さんに書いてもらいました。
こんにちは!
VRChat同好会で会長をしている齋藤と、副会長の小林です。
VRChat同好会は、N高グループの生徒による自主的な同好会(※1)で、生徒主催のVRChat(※2)イベントを通して、アバターの姿でゲームや交流を楽しんでいます。
※1 N高グループには、「ネット部活」と「同好会」があり、主にネットで活動していますが、イベントなどリアルの場で実施することもあります。
※2 VRChatは、バーチャル空間で交流できる無料VRソーシャルプラットフォームです。
2025年6月、VRChat同好会は、N高グループと同じように学校生活にVRを活用している通信制高校「勇志国際高等学校メタバース生(以下、勇志メタ生)」との合同交流会を開催しました。
きっかけは、齋藤と勇志メタ生の前田さんとのある会話からでした。
「同じ通信制でVRを活用している高校同士、交流会をしたら面白いことが起きるんじゃないか。」
そんな一言をきっかけに企画をそれぞれの高校に持ち帰り、紆余曲折を経て、ついに今回の交流会が実現しました。
交流会の参加者は、両校あわせて約30人。なかには海外から参加している人もいました。
各地に散らばる通信制高校生が気軽に同じ空間を共有し、交流できる――
そんな体験ができるのは、まさにメタバース空間ならではだと感じます。
今回はこの企画ができるまでの経緯と、当日の様子についてご紹介します。
交流会の準備
勇志メタ生の対外交流委員会(※3)の皆さんとの初めてのミーティングは、メタバース(VRChat)上で行われました。
※3 勇志メタ生による自校と外部をつなぐことを目的に活動する委員会です。
その場には、VRChat同好会から齋藤と小林、勇志国際高等学校からはこの委員会で代表を務める前田さんを含む3名が参加し、当日の流れやトークテーマなどについて話し合いました。

話し合いに参加した5人。写真は両校の生徒向け告知動画撮影時の様子。
対話を重ねるうちに、VR機器のみでVRを楽しむ生徒が多いN高グループに対し、勇志メタ生はVR機器にパソコンを繋いで活動しているという違いがあることが分かりました。
後者に比べ、VR機器のみでは一部のギミックやアバターを正しく表示することができません。
そこで、両校共にVR機器のみでも表示できるアバターの着用を呼びかけるなど、多くの参加者が楽しめるよう工夫を行いました。

当日の議事録。VRだからこそ、空間に文字を書いてまとめることができる。
また、交流会当日のアクティビティを考える中で、前田さんが「N高グループで盛んに行われている『アイスブレイク』を取り入れてはどうか」と提案してくれました。
アイスブレイクとは、初対面の時など緊張した状態をほぐすためのアクティビティのことであり、N高グループの授業や通学コースで開催される体験会でも多く取り入れられています。
前田さんの意見を受けて「積み上げ自己紹介」というアイスブレイクを提案したところ、対外交流委員会の皆さんから、普段の授業にはない取り組みで、ぜひやってみたいとの反応がありました。
このように、準備の段階から両校の特徴を知ることができ、それらを考慮しながら両校の力を合わせて準備を進めました。
交流会当日の様子
そして迎えた交流会当日。
最初に行われたのは、両校の代表者によるプレゼンテーション。
N高グループからは齋藤が登壇し、生徒のどのような成長につながるかという視点から、自校でのVR活用の実例やVRの教育的価値について紹介しました。
勇志メタ生の前田さんは、メタバース生としての日常や、学校での学びでどのようにVRが活かされているかについて語りました。

プレゼンにて、磁石祭の様子を話す齋藤(画像左)
齋藤「前田さんの発表に比べて、自分の内容がすごく固くなってしまった後悔はあるけど、あとで他の参加者の方から『具体的で分かりやすかった』という声ももらえて、嬉しかったです。」
参加者からは「他の学校の取り組みを知れて新鮮だった」「自分の学校でやったらどうなるかな」などの反応があり、互いに今後の学習や活動に対する刺激をもらえる時間となりました。
続いてのグループワークでは、まずはアイスブレイクとして「積み上げ自己紹介」を行いました。
積み上げ自己紹介は、一人ずつ前の人の発言を受けて自己紹介をしていくアイスブレイクで、最後までクリアするにはお互いの名前を覚える必要があります。
初対面のメンバー同士でも自然と笑顔が生まれ、緊張が和らいでいく様子が特に印象に残りました。
次に行った「絵描きしりとり」は、言葉を使わずイラストのみで単語を表現するアイスブレイクで、あまりの盛り上がりに、なかなか本題へ進めないグループもでるほどでした。

グループごとにアイスブレイクの「絵しりとり」を行った際の様子。
その後のテーマトークでは、「自分の学校で好きなところ・楽しかったこと」「メタバース(※4)で普段何をしているか」について、それぞれの学校での使い方や文化の違いを語り合いました。
※4 メタバースは、大まかにインターネット上に構築された仮想空間のことを指します。
齋藤が参加したグループでは、「授業で使うのか、イベント中心なのか」「学校が推進しているのか、生徒主導なのか」といった視点で話が深まり、参加者同士が熱心に質問し合う様子が見られました。さらに、N高が提供するバーチャル空間である「学びの塔」のコンテンツについても、みんなの興味を引きました。
一方、小林の参加したグループでも、「メタバースで普段何をしているか」を中心にそれぞれの楽しみ方について話し合いました。学内外の友人と一緒に日常的な会話や各ワールドにあるゲームを楽しんでいるという声が多く、また、メタバースに関連してプログラミングや3Dモデリングといった活動についても触れることができました。
小林「今まで手を出せずにいた分野の話を聞いて感心すると同時に、初対面にも関わらず、メタバースから離れた日常の中での取り組みが話題に出たことが嬉しく、新鮮だなと感じました。」
そして休憩を挟み、交流会の後半では両校の生徒が入り混じっての「ゲームワールド巡り」へ。
訪れたのは、1人の巨人vs最大30人で戦う戦闘ワールド「GIGAS」や、短いミニゲームを繰り返しこなしていくワールド「VRWare Quest」など、いずれも人気の高いワールドです。
GIGASでは、共通の敵を前に所属に関係なく一体となって協力し合ったり、まさに「遊びながら交流する」体験が広がりました。
ボイスチャットを通じて、会話や笑い声があふれていたのがとても印象的でした。

GIGASを楽しむ参加者の様子。
交流会終了後には、参加者の一部が自然と「二次会」へと移行。
自発的にワールドを移動して会話を続けたり、名残惜しそうに感想を語り合う様子からは、今回の交流が一過性のものではなく、「また会いたい」と思える関係づくりにつながっていることが伝わってきました。
参加生徒の声
参加者のお一人に話を伺ったところ、次のような感想をいただきました。
「相手の方が身振り手振り(ボディーランゲージ)を交えながら熱心に魅力を伝えてくれて、『なるほど、そちらの学校も楽しそうだなぁ』と素直にワクワクしたのを覚えています。また、交流の中でメタバース生の皆さんが自作の小物をアバターに付けているのを知り、その出来栄えが素晴らしかったので、グループ全員で囲んで褒め合ったりもしました。こうしたやり取りも含めて、非常に楽しい交流になりました。
私のアバターより大きい方も小さい方もいて、それでも不思議と初めて会ったのに話しやすかったです。VRだからこそ生まれる距離感の近さを、改めて感じました」
ほかにも、こんな声が寄せられています
- VRを活用している珍しい高校の方々と会話できたことで新しい知識などが手に入ったり、ゲームなどでみんなで一体となって遊べたのが楽しかったです。
- 勇志メタバース生の魅力を知ることができたし、皆さんがとても仲が良いんだなと見ていて思いました!
- 皆でワイワイできて楽しかったです!ありがとうございました!
最後に
いかがでしたでしょうか。
今回は、N高グループと勇志国際高等学校メタバース生による、初の合同交流会の様子をお届けしました。
同じ通信制・VR活用という共通点を持つ仲間だからこそ生まれる空気感や学びがあり、参加者それぞれにとって貴重な経験になったのではないかと思います。
さて、交流会のその後――
実は、勇志メタ生が運営するラジオ企画に、齋藤と小林がゲスト出演しています!
交流会で盛り上がったアイスブレイク「積み上げ自己紹介」にチャレンジしている様子や企画の裏話、交流会を振り返るトークなど、ここでしか聞けない話も盛りだくさんです。
ぜひこちらのリンクからチェックしてみてください。
【#勇志メタ生】N高グループ生とコラボ!?バーチャル高校生同士で対談してみた!【 #メタバース生は語りたい 】
https://youtu.be/d6tV0mvjXoM?si=gzFgkOjTZ8IJekUP
また、この記事を読んで「VRChat同好会、ちょっと気になるかも…」と思ってくれたN高グループ・N中等部在校生の皆さんへ。
私たちはいつでも、新しい仲間を歓迎しています!
興味を持ってくれた方は、ぜひ同好会のSlackチャンネルに参加してみてください。



