
春めくと思われた陽気が一転、肌寒い空気に包まれた3月初旬。
代々木キャンパスでは気まぐれな寒空にも負けず、N高生の意気盛んな熱い活動が続けられていました。
3月7日、第2回目となるスペシャルN「熟議ワークショップ」が行われました。
今年1月31日開催した第1回目の講義では、現場が抱えている問題や、その解決策について議論する一連の問題解決のプロセスを学びました。
今回も、前回同様に東京大学・慶應義塾大学教授、元文部科学副大臣・鈴木寛さんをお招きし、熟議をさらに追究していきます。
※第1回目「熟議ワークショップ」の様子:https://nnn.ed.jp/blog/archives/2662.html
第2回目の講義では、与えられた課題にどうアプローチし、どのような結論が導き出されたのかについての最終発表を行います。発表を控えた生徒たちは緊張した表情を浮かべていました。


前回の講義から約1ヶ月の準備期間が与えられ、それぞれの班で設定したテーマについて熟議を重ねてきた生徒たち。
世の中に存在する様々な課題について多角的な視点からアプローチし、問題点、改善策、今後の展望を含めた内容検討を重ね、発表に臨みます。
生徒たちが取り組んだ課題は多種多様。
低稼働率施設活用法、労働問題、運動不足解消、奨学金問題、マナー教育、学園都市化計画、画一的教育、道徳教育…、多岐にわたる分野の課題について、熟議の成果を発表してくれました。

発表後の質疑には明快に答えており、綿密に準備した様子がうかがえます。
生徒たちの発表を受けて鈴木寛先生からは、
「費用面は合わせ技で。」
「具体的な計算、数値を元に。着眼点も良い。」
「まずは前提としてどうなるか、一つひとつ結果を出すにはどうすれば良いのか。」
「(発表した内容と)近いことをやりたいと思っていた。高校生からの意見があると実現しやすい。実験をしてみたい。」
などの助言をいただきました。
一つひとつの言葉に真摯に耳を傾け、さらに思考を巡らせる生徒たち。

時折、生徒の発表を互いに繋げて提案いただいたり、
「まずは、eスポーツの部活を作ってみては?君はマネージャーで交渉。」
というお話から、なんとeスポーツが得意なTA(ティーチング・アシスタント)が総監督就任という一幕も。
生徒が「すずかん先生が加われば・・・」と言葉に詰まった際にも、
「鬼に金棒!」という鈴木先生の軽妙な返しから、どっと笑いが起きるなど、始終和気あいあいと賑やかな雰囲気でした。

鈴木寛先生からは総括として、
「すごく良かった。人口増加率、地域振興、海外との対比などよく調べている。
数字、固有名詞、根拠、具体性、方向性がきちんと示されている。
解決より問題発見、これこそ大事な問題であるとの設定が重要。
“次に問題解決、発見した問題を自分ならどうか“と置き換えてみて、自らの周囲、まず身近なところから変えていく。その過程を考えてみてください。」
と激励のお言葉をいただきました。
鈴木寛先生からいただいた、もう一度立ち上がる力「レジリエンス(resilience)」という言葉を胸に、一同はますますの奮励を誓います。
