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【体験学習レポート】風が吹けば、まちが儲かる?
青森の風に吹かれて実感する、再生エネルギーとまちの良い関係

【体験学習レポート】風が吹けば、まちが儲かる? 青森の風に吹かれて実感する、再生エネルギーとまちの良い関係

2024年8月18日(日)から8月20日(火)にかけて、青森県中泊(なかどまり)町にて職業体験「風が吹けば、まちが儲かる?〜新エネルギーと地域経済のハナシ〜」を実施しました。

このプログラムでは、再生可能エネルギーによる発電事業を行うヴィーナ・エナジー・ジャパン株式会社のご協力のもと、風力発電の直接講義や実際の風車見学のほか、中泊の町長や役場職員からまちとエネルギー産業の関係について学ぶ機会もありました。
そんな3日間の様子をレポートしたいと思います。


【1日目】
新青森駅・青森空港へ集合した18名のN高等学校・S高等学校・N中等部の生徒たち。
1時間半バスに揺られ、宿泊先である「総合交流促進施設」へ向かいました。


バスから降りて、会議室へ。
まずはアイスブレイクとして参加者同士で自己紹介を使ったビンゴを行いました。

自己紹介ビンゴをすることで、共通した趣味を持っている人を見つけるきっかけとなり、初対面の緊張もやわらぎました。

緊張がほぐれたあとはヴィーナ・エナジーの担当者より、再生可能エネルギーについて研修を受けました。
エネルギー産業における世界の動向や日本の現状のほか、風車には耐用年数として20年という寿命があること、羽の部分は工場で作られるため、大きな羽を傷つけないように慎重に山の中に運び込まれていることなどを知ることができました。


研修が終わった後はグループで協力してペットボトルを使った風力発電の模型を作成しました。


ペットボトルを使用して風車の羽を造形。
ペットボトルの固さや曲げ方によって発電のしやすさが変わるため、角度を変えるなど試行錯誤している人もいました。

 


夜ご飯はBBQです。
炭の火が安定するまで時間がかかりましたが、無事に調理できるようになり、お腹いっぱいになるまでBBQを楽しみました。
その後、夜は自由時間。
入浴をしたり、残り火を囲んで語ったりとゆったりとした時間を過ごしました。



【2日目】
まずは中泊の町役場に行き、町長さんのお話を伺いました。
風力発電について、本音で話してくださる町長さんの人柄の良さに惹かれながら、楽しく学ぶことができました。
参加者からは「再生可能エネルギーを活用した地域の電力会社があることで、地域外から電気を買うよりも安く、地域の企業や人に電気を提供できることが印象に残った」などの感想があがり、風力発電は企業だけでなく、地域の人にとっても魅力があることを知ることができました。

 

(町長さんのスーツの裏地は、宮越家(みやこしけ)にある襖絵…!中泊の旧家である宮越家が所蔵する襖絵は、大英博物館所蔵の作品と対であることが判明したばかりの貴重なもの)


役場を出発し、バスに揺られながら細い山道をのぼり、風力発電施設の風車の前へやってきました。

実物は想像していた何十倍も大きく、改めて風車の迫力を感じました。

 

 

 

さらにバスに揺られること1時間半。
午後は場所を移し、津軽半島の最北端、龍飛崎(たっぴざき)にある青函(せいかん)トンネル記念館へ行き、本州と北海道をつなぐ海底トンネルがどのように作られたのか、どのような歴史があるかなどを知ることができました。


また、実際の工事に使われた地下坑道を体験するため、青函トンネル竜飛斜坑線「もぐら号」に乗り、ガタガタと揺られながら体験坑道のある津軽海峡海面下140mの地点へ向かいました。


坑道展示エリアではガイドの話を聞きながら、当時の現場の雰囲気を味わいました。

坑道体験が終わった後、津軽半島の最北端である龍飛崎へ向かいました。

龍飛崎は風が強いことで有名なので、1日目に作った模型で発電ができるかを試してみました。

 

1日目では走らないと発電しなかった模型が強く吹く風に真正面から風車を向けることにより、たくさん羽が回り発電することができました。
改めて龍飛崎の風の強さ、風力発電においての風の大事さを知る機会となりました。

さて、プログラムも既に折り返し。
宿泊施設へ戻り、2日間で学んだことなどを振り返ります。

 


しっかり学んだことを振り返ったあとは、お楽しみの花火!
みんなで火を分け合いながら花火を楽しみました。

(線香花火、誰が一番長く続くかな選手権の様子)



【3日目】
午前はヴィーナ・エナジーが保全継承の支援をしている歴史的建造物「宮越家」に向かいました。
ステンドグラスや庭園が特徴の建物です。
100年以上前に建てられ、文化財として町で大切に保存されています。
ガイドの話を聞きながら庭や部屋を見学し、宮越家について理解を深めました。

 

 


最後の活動として中泊町役場の方とヴィーナ・エナジーの社員さんと一緒に昼食を食べ交流を図りました。
町の特色や行政と風力発電の関係性について教えていただいたり、さらに深いお話しを聞くことができました。


最後にこの3日間で学んできたことをお互いに発表して振り返り、全行程が終了です。


町役場の方、ヴィーナ・エナジーの社員さんと一緒にパシャリ!


ここからは、参加した生徒たちの声を紹介します。


Aさん
初めて宿泊型のワークショップに参加したのですが、「発電」という言葉が勉強の中でしか使わない言葉だし、どんなことをしているのか仕組みを全く知らなかったので、申し込みをギリギリまで悩んでいました。
しかし参加してみると、発電についての学びだけでなく、観光や交流を通じて町についてもいろいろなことがわかり、新しい気づきを得られました。


Bさん
再生可能エネルギーに関する勝手な想像や固定観念を外すことができました。
また、人と交流することが少なかったのでとても刺激になりました。


Cさん
風力発電の仕組みや関わり方を実際に見て、自然科学系の学問も面白そうだなと感じました!


一人ひとりが気づきや新たな視野を手に入れた、短くも濃い3日間となりました。

◆体験学習プログラムについて◆
N高等学校、S高等学校、N中等部の課外授業として実施。日本各地の自治体・企業・専門機関等と連携して多種多様なプログラムを実施し、普段の授業・映像授業では得られないリアルな経験から、生徒の知見や将来の可能性を広げられる機会を提供しています。近年では地方自治体、企業・団体と事業連携協定を締結し、共同でプログラムを実施することで、地域社会・産業の発展や地域人材の育成を目指す取り組みを進めています。

【体験学習の実施例】
https://nnn.ed.jp/learning/extracurricular_activities/workexp/

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