
※このブログは、投資部2年生、前川さんに書いてもらいました。
■はじめに
N/S高投資部では、一般財団法人村上財団と学校法人角川ドワンゴ学園から提供された資金を元手として、各部員が株式投資を行っています。
私自身、入部時に投資に関する知識は全くなく、「投資にのめり込むのはやめなさい」と幼い頃から家族に言われていたこともあり、なんとなく投資は「アブないもの」「ギャンブルみたいなもの」と思っていました。
それが私にとって”当たり前”の価値観でした。
しかし、N高入学以来、自分が当たり前だと思っていた固定概念を覆されることがたくさんあり、もしかしたら実際に体験したことがない投資に悪いイメージを抱くのは間違っているのではないかと思うようになりました。
また、1年生の時はあまり積極的に活動できていなかったため、その反省も踏まえてさまざまな人の意見を知りたいとも思い、投資部に入部しました。
このブログでは、6月からの全5回にわたって投資のイロハについて学んだ「基礎講座」の中から、特に勉強になったと思ったことをみなさんにご紹介します。
■基礎講座について
基礎講座の講師は、現在、東京大学大学院在学中でお坊さんの肩書も持つ、赤塚さんでした。
赤塚さんは講義の冒頭で「自分に投資をすること。それでたまたまお金が儲かったらいいなと考えることが大切である」と話していました。
また著名投資家ウォーレン・バフェット氏の「株を買うのではない、会社を買うのである」という言葉を引用し、「株を買うということは、会社の一部分を買うということ、つまり会社のことをしっかり知った上で投資すべきということを念頭に置いて投資部活動に勤しんで欲しい」と投資部員にエールを送ってくれました。
では具体的に会社のことを知るにはどうしたらいいのでしょうか?
基礎講座で学んだ会社について調べる上で意識したい視点の中で、私が最も印象に残ったのは、「自分で手を動かす」という姿勢についてです。
常に価格が変動する株式に投資する際に、できるだけ早く情報が欲しいと思ってしまうのが人間の性です。まずチェックしてしまうのが「〇〇 株」と検索して上位に出てくる投資サイトのコメント欄や、SNSでの投資家のツイートです。
たしかに株価を決めるのは投資家の動きであり、同じ会社に投資している投資家の意見や、世間の評判も時には耳を傾ける必要があると思います。
しかし、そこにはさまざまな思惑を抱えている投資家が混ざっている可能性もあります。
赤塚さんは「基本的なことだが、おざなりにしがちな“自分で手を動かすこと”が大事」と言い、ウォーレン・バフェット氏の「他人の見解から自分を分離させることが必要」という格言を紹介してくれました。
バイアスがかかっている有象無象の情報を鵜呑みにするのではなく、一次情報(企業が発表している決算資料など)を自分で調べること、そして得られた情報から自分の意見を確立させて投資に値する企業を選定するなど、「自分で手を動かす」ことが大切であることを学びました。
■ワークショップ
基礎講座には毎回ワークショップがあり、講義の内容を定着させるために実際に“自分の手を動かして”部員同士で意見を共有しました。
その中で得た気づきを2つご紹介します。
1つ目は、社会の仕組みについてです。
例えば決算書を読むことで、一つの会社で多分野にわたって事業を展開していることがわかりました。また業界カオスマップを見ることで、一つの業界(自動車業界など)でもさまざまな分野があることを知りました。これらのワークを通じて、今までぼんやりとしか見えていなかった社会の仕組みが見えてきたのが驚きでした。
2つ目は、同じ話題に触れても、人によって解釈の仕方が違うことです。
グループで個人ワークの共有を行ったのですが、限られた時間の中で業界や企業について調べる際、動画や図・表で視覚的に理解している人もいれば、文字ベースで検索している人もいました。またデータ収集の媒体や、過去、未来、現在など注目している時間軸も人によって異なることに気づき、興味深いなと思いました。
ワークショップを通して、ひとつの会社の動きだけを知るのではなく、業界全体や人々の期待がどこに向かうかを読み取るのも含めて、赤塚さんもおっしゃっていた「社会の求めることを知る」「社会を見ること」が大事なんだなと強く感じました。
■さいごに
この基礎講座で投資に対しての価値観は、「アブないもの」「ギャンブルみたいなもの」から「自分なりの考えに基づいて運用すれば、夢を叶えられる切符になり得るもの」という認識に変わりました。
投資部に入って4ヶ月。
これまではオンラインで座学で学ぶ活動が中心でしたが、まわりには企業訪問やIR問い合わせなどを行う行動派な先輩が多く、私も外に出向いて人とオフラインでつながる活動に挑戦したいと思っています。
また現在、エンターテイメント業界に投資していることもあり、人を感動させる作品やアイデアはどう生まれたのかなどについて、経営陣や社員のみなさんの考え、過去の失敗から得られた経験、世に出回らなかった裏話などの人間が滲み出る部分の話しを“自分で手を動かして”深く掘っていきたいです。
その時はまた記事に書くので読んでいただけると嬉しいです。また会いましょう!
N/S高投資部 HP:https://nnn.ed.jp/club/investment/
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