
6月17日(月)、「プロジェクトN」では、ロボットコミュニケーターの吉藤オリィさんをお招きし、特別講演をしていただきました。多くの特別講演は、全国13キャンパスの各拠点を中継でつないで実施しますが、今回は今年度初めての名古屋キャンパスからの中継ということで、生徒たちのボルテージは最高潮です。
〈吉藤オリィ氏プロフィール〉
高校時代に電動車椅子の新機構の発明に関わり、2004年の高校生科学技術チャレンジ(JSEC)で文部科学大臣賞を受賞。翌2005年にアメリカで開催されたインテル国際学生科学技術フェア(ISEF)に日本代表として出場し、グランドアワード3位に。 高専で人工知能を学んだ後、早稲田大学創造理工学部へ進学。自身の不登校の体験をもとに、対孤独用分身コミュニケーションロボット「OriHime」を開発(この功績から2012年に「人間力大賞」を受賞)。 開発したロボットを多くの人に使ってもらうべく、株式会社オリィ研究所を設立。自身の体験から「ベッドの上にいながら、会いたい人と会い、社会に参加できる未来の実現」を理念に、開発を進めている。ロボットコミュニケーター。趣味は折り紙。
※ニュース記事からも詳細をご確認いただけます。

トレードマークの“黒い白衣”をなびかせて会場に登場したオリィさんと、一緒にあらわれた分身ロボット『Orihime (オリヒメ)』に注目が集まります。
『Orihime』はオリィ研究所所員の三好史子さんが島根県から操作されており、最初は横を向いていた彼女が、オリィさんの挨拶とともに正面を向き生徒たちに手を振ると、大きな歓声が沸き起こりました。
休憩時間にも、三好さんは『Orihime』を通して生徒とコミュニケーションをとってくださり、会場は和やかな雰囲気に包まれていました。

今回のテーマは「社会を変える力を学ぶ」。
小さなことから周囲を変えていく原動力についてお話いただきました。
オリィさんの場合、小学生時代の折り紙、中学生時代には「虫型ロボットの競技大会」に参加したことから始まった“ものづくり”はやがて、「孤独を解消したい」というご本人の志とともに、『Orihime』の制作につながっていきました。
その時その時で大切だったと思うことは「人との出会い」。
ご自身が不登校を経験した際には、ただただ天井を見上げて過ごす日々が続き、人との話し方や笑い方までも忘れてしまっていたそうです。
そんな時にお会いした、ある高校の先生をされている方から衝撃を受け、「弟子入り」を志願したといいます。
そこからのオリィさんは、高校生の時にはコンテストに応募したり、大学生の時にはひとりで研究室を立ち上げたりと、やりたいと思ったことは実行に移すようになりました。
とことんまっすぐにつき進む姿に共感してくれた人たちとの出会いが、今のオリィさんを作り上げたというお話をしてくださいました。
授業終了後の質問の時間には、全国のキャンパスから質問が飛び交いました。専門的な質問から進路の選択についてなど、幅広い内容の質問に、時間の許す限りていねいに回答してくださったオリィさん。
「頑張っている人をより輝かせる仕事をしてみたいのですが、どうすればいいでしょうか?」という質問には、
「コンテストに参加してみるといいよ。コンテストは自分が頑張ること以外にも、「すごいな」と思える人たちと出会える場所でもあるから」と答えていただきました。
「こうあるべきというものはない、私や周りにいる大人の人たちのアドバイスをヒントにしつつ、みなさんが自分の頭で考えることが1番大事」というオリィさんからいただいたメッセージは、多くの生徒たちの心に響いたのではないでしょうか。
吉藤オリィさん、お忙しい中お越しいただきありがとうございました。