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当学園の私学教員ユニオンについての見解

 

2021年10月7日に私学教員ユニオン(敬称略)に加盟している当学園の教員2名がストライキをおこないました。私学教員ユニオンの要求に対しての当学園の立場は、当学園ホームページに6月12日に掲載しており、また、6月29日にも記者会見において説明させていただきました。当学園としては十分な説明を尽くしていると考えています。

 

しかしながら、その後も私学教員ユニオンは団体交渉の実施に向けた当学園の提案に対して強硬な姿勢を取り続けるばかりか、7月30日に街頭デモ、10月7日にもストライキと街頭デモをおこない、当学園の説明がなかったかのように同じ内容の要求を繰り返しています。

 

私学教員ユニオンに関わる報道が続いていることに不安と疑念を持たれている保護者や生徒のみなさま、N高を応援していただいている方々に、なぜ、問題が解決しないかについての当学園の見解を述べさせて頂きます。

 

当学園は私学教員ユニオンについて、以下のように考えています。

 

①私学教員ユニオンに加入している教職員は、当学園の教職員の全体を代表してはいません

②私学教員ユニオンは生徒を第一に考えているとは思えません

③私学教員ユニオンの目的が生徒の環境改善や教職員の待遇改善にあるのか疑問があります

 

それぞれについてご説明します。

 

①   私学教員ユニオンは当学園の教職員の全体を代表してはいません        

 当学園の常勤教職員の数は 662名(2021年10月16日付)であるところ、私学教員ユニオンに加入している当学園の教職員は3名であり、約0.4%に限られます。

 

私学教員ユニオンが当学園に対して、当学園教職員の組合加入を通知した2021年3月18日から現在までに、半年以上の期間が経過しました。この間、当学園は私学教員ユニオンに対し、ユニオンが主張する過重労働や過酷な労働環境に該当する事実が存在するのであれば具体的に示してほしいと何度もお願いしていますが、これまでにユニオン側から当学園が過重労働、過酷な労働環境だと認められる事実は全く示されておりません。このことは、これまでもホームページや記者会見などで公表しているとおりです。

 

当学園では分業制を取り入れるなど積極的に教員の労働環境の改善に取り組んでおり、ネットコース教員の平均残業時間は21.5時間(2020年度)です。これは、公立高校の教職員の平均残業時間52.8時間(連合調べの2018年10月18日付「教員の勤務時間に関するアンケート」に基づき勤務日の時間外労働について当学園で試算) と比較しても明らかに少なく、過重な労働との指摘は明らかに当たりません。

 

しかしながら、ユニオン側は具体的な事実を示さないまま、当学園の業務が過重労働であり、過酷な労働環境であるという主張を変えていません。

 

もし、ユニオン側の主張が事実であり、当学園が虚偽の主張をしているのであれば、当学園の教職員から過重労働の具体的な事実についての情報が、当学園あるいはユニオンに集まるはずであり、ユニオンの加盟者も大きく増えるはずです。しかしながら、これまでのところ当学園の教職員が新たに加入したとの通知はわずか1名であり、しかも当該組合員は2021年3月末で当学園を退職している者です。

 

また、現在、当学園の教職員でユニオンに加入している組合員3名のうちデモに参加するなど積極的に活動される方は2名であり、両名ともに当学園で勤務を開始して1年未満で私学教員ユニオンに加入されています。当学園全体の労働環境を正確に把握しているとは考えられません。

 

②   私学教員ユニオンは生徒を第一に考えているとは思えません

私学教員ユニオンは、教員が担当する生徒が多すぎることにより過重労働を強いられている、担当する生徒をもっと減らせばもっと生徒をケアできるが、それができないために苦しんでいる、と主張しています。

 

しかしながら、当学園であらためて現場の調査をおこないましたが、過重労働の事実は見当たりませんでした。当学園では1ヶ月あたり40時間の固定残業代を支払っていますが、教員の平均の残業時間は21.5時間(2020年度)であり、見込み残業時間を大きく下回っています。ユニオンに加入しており、デモに参加している2名についても、残業時間は当学園のごく平均的な教員と同じであり、ほぼ、すべての月において、見込み残業時間を超える残業は発生していません。

 

もし、本当に担当する生徒が多すぎて過重労働を強いられており、生徒のために使う時間が足りないというのであれば、なぜ、残業時間が平均21.5時間に留まっているのか、説明をいただきたいと考えています。   

 

また、私学教員ユニオンは、ことさらに担任一人当たり生徒数が150人であるのは多すぎると主張します。しかし、当学園における「担任」の業務内容が他の学校と大きく異なるにも関わらずこのような主張を行うことは、全日制の学校におけるいわゆる「担任」と通信制高校である当学園における「担任」の呼称が同じであることを利用したユニオン側の印象操作であると考えています。

 

当学園では、教育関係業務のうち、教員免許を持つ教員が行う必要のあるスクーリング等の業務については教員免許を持つ教員が担当し、進路指導、課外学習、部活等、教員免許を持たない職員が担当できる業務については教員免許を持っていない職員も担当するという分業制を積極的に取り入れており、生徒の要望に応じて、教員だけでなく、専門性の高い職員が生徒をサポートする教育を目指しています。ネットコースにおける常勤の教員・職員合わせた教育担当教職員の数は331名であり、一人当たりの生徒数は60名弱となっています。

 

本当に生徒のことを第一に考えるのであれば、生徒60名あたり1人の割合で存在している教職員がどのように分担をして生徒をサポートするかを問うべきであり、形式的に教職員のうち教員免許を保有する教員数のみに着目しても意味はなく、生徒のためにも繋がりません。

  

なお、教員免許を持つ教員を生徒150人あたり一人以上配置するルールは、N高等学校が認可を受けている沖縄県としてのルールであり、当学園としては当該ルールは最低限の基準と考えております。実際には10月1日時点における教員ひとりあたりの生徒数は108人であり、来年度からは担任制から複数メンター制へ移行すると発表していることも合わせて、ユニオン側が繰り返し問題だと主張する150人が具体的になにを指しているかも明確ではないと考えています。

 

以上のとおり、私学教員ユニオンによる教員一人あたり150人の担任生徒数という主張は、通信制高校とは仕組みが全く異なる全日制の高校における標準的な40名学級の担任制度と比較した全く不適切なものであり、担任生徒数が多すぎるとの誤った印象を世の中に与え共感を得ることが目的であると考えます。これは学園の実態を無視した無意味な主張であるだけでなく、生徒のためにどうすればいいかという視点をまったく欠いた主張であると考えています。

 

③   私学教員ユニオンの目的が生徒の環境改善や教員の待遇改善にあるのか疑問があります   

私学教員ユニオンの指摘のうち、スクーリング中に休憩時間がとれないローテーションが組まれていることがあるという件について、当学園は、調査の上、事実を認め、本年度より改善をしました。また、亀戸労働基準監督署から指摘されたいくつかの事項においても、私学教員ユニオンが記者発表をした時点で、すべて改善済み、あるいは改善する予定期日が明確になっているものばかりでした。

 

当学園は私学教員ユニオンからの指摘にとどまらず、問題点を発見した場合は可能な限り、すべて改善をおこなっております。

 

当学園は私学教員ユニオンに対して、具体的な問題点があるのであれば事実を示してほしいと再三にわたってお願いをしていますが、上記以外の点についても、ユニオンからの有意な返答はありません。

 

また、団体交渉についても本来はユニオン側からの要求でしたが、オンラインによって、参加者の氏名・所属等の属性を全く開示しないまま、匿名で人数無制限に組合員を参加させることを頑なに条件としており、団体交渉をおこなうための条件交渉にも応じる姿勢をみせていません。

 

組合員である教職員の一部は、これまでに事前の許可、承認、申出等一切ないままに当学園の担当者との業務上の面談を度々録音、録画しており、当該録音・録画の一部分を切り出してネット等に公開することを仄めかしています。

 

このように私学教員ユニオンが、根拠となる具体的事実を十分に示すことなく要求だけをくり返し、録音・録画の一部を公開すると脅しのように述べていることを鑑みたとき、生徒の環境改善や教員の待遇改善のための交渉をおこなう気持ちがもはやなくなってしまったのではないか、とにかく騒ぎ注目を集めるための材料を探しているだけなのではないかとの疑念すら覚えてしまいます。      

 

今回、私学教員ユニオンに当学園の教職員が加盟した件を当学園が知ったのは、私学教員ユニオンの上部組織である総合サポートユニオンの担当者からの連絡でした。

 

冒頭にもあるように私学教員ユニオンに加入している当学園在籍の教職員は3名のみであり、当学園との交渉においては総合サポートユニオンの専従者などの役割が大きいと考えています。   

 

なお、デモに参加するなど積極的に活動されている組合員2名のうち1名は、前職の学校においても、私学教員ユニオンに加入してストライキを行っており、また、前職の学校に対して訴訟も提起していたことを把握しています。

 

このような状況下で、いたずらに交渉を長引かせて世の中へのアピールのみをくり返す私学教員ユニオンの姿勢を見るに、教員の労働環境問題の解決が目的ではなく、当学園以外の学校を含めた組合員を増やすための宣伝活動として、話題になりやすい当学園をターゲットにしているとしか考えられません。

 

当学園では常に日々改善を続けております。保護者や生徒のみなさま、N高を応援していただいている方々にご心配をおかけしていることを心苦しく思うととともに、今後も慢心することなくよりよい学園作りを目指してまいります。   

 

以上

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