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N高生、日本マイクロソフトでのアプリ開発の成果を報告
~日本マイクロソフト・ドワンゴのエンジニアのサポートを受け、Microsoft HoloLens用アプリを開発~
学校法人角川ドワンゴ学園「N高等学校」(以下、N高)は、2018年7月2日(月)~6日(金)の5日間、日本マイクロソフト株式会社のテクニカルエバンジェリストと株式会社ドワンゴのMR(Mixed Reality/複合現実)エンジニアとの技術支援のもと、Microsoft HoloLens用アプリを開発するプログラミングイベントを日本マイクロソフト品川本社にて実施しました。
今回のイベントには、日本マイクロソフト株式会社から高橋忍氏を含む3名と株式会社ドワンゴの先端演出技術開発セクションから岩城進之介を含む3名(計6名)がN高生のサポート役として参加し、与えられた時間内で成果やアイデアを競い合う形で、 チーム開発が行われました。
■N予備校×Microsoft HoloLens
本イベントは、N高で使われている学習アプリ「N予備校」と現実の空間でデジタルコンテンツを操作・展開できる「Microsoft HoloLens」を組み合わせて“未来の授業スタイル”を実現するアプリを作ることを目標として実施されました。今回参加した9名の生徒は、日本マイクロソフト テクニカルエバンジェリストの高橋忍氏が執筆した『Windows Mixed Realityアプリ開発入門』を教材としてUnityプログラミングを事前学習しています。5日間という日程で行われた今回のイベントは、以下のスケジュールのもと開発が進められました。
【1日目】 チーム分け、課題の抽出、アプローチの決定、社内ツアーの実施
【2~4日目】 チームごとの開発
【5日目】 開発のまとめ、最終成果発表会・講評
アプリの開発は2チームに分かれて行いました。イベント初日には、N予備校アプリをHoloLensで使用するにあたっての課題や工夫すべき点を抽出し、盛り込みたい機能の実装など解決に向けたアプローチを考察しました。その後は日本マイクロソフトとドワンゴのエンジニアにもサポートを仰ぎながら、最終日までに与えられた時間を使ってチームごとの開発に取り組みました。
また、日本マイクロソフト品川本社の社内ツアーを行い、将来エンジニアとして開発業務に携わるイメージをより具体的なものにしました。昼食には社内のカフェを使って開発サポート担当のエンジニアと一緒に過ごすなど、豊富な知識を有した専門家とコミュニケーションを深める機会を多く取ることができました。
■N予備校をもっと使いやすく
今回の開発でのポイントは、HoloLensを使うことによって獲得する仮想の作業領域やユーザーとしてのアプリの使いやすさ(UI/UX)などいくつか挙げられます。最終成果発表会では、それぞれのチームが発表を行い、実機を使ったデモンストレーションや動画などにより、期間中に開発したアプリの成果が報告されました。
チームA 「カントリーマーム」
【UI/UXを良くしつつ、MRを使い区間全体を活用したサポートアプリケーションの開発】
N予備校の授業をスクリーンショットして画像を空間に張り付ける機能、空間上に指を使って直接メモをする機能、書き込まれたコメントが自分の周りを一周する機能、操作性の向上のために画面外を向いたら動画の再生を一時停止する機能などの実装を目指しました。
チームB 「N YOBI CHARA LENS」
【UI/UXの改善とキャラクターコンテンツ、ボイスコントロールの追加、MR空間の活用】
HoloLensを用いた方法によるN予備校が持つUI/UXにおける課題の解決に加え、音声認識による挙動操作やMRによる「アシストキャラクター」も実装し、視覚的にも楽しめる新しいタイプのN予備校の実現を目指しました。
N予備校を使ってプログラミングの授業を受ける場合、授業の動画やプログラムを書くためのエディタ、制作しているソフトウェアのウィンドウなど同時に展開するコンテンツが複数あるため、作業自体がPC画面の領域にとらわれてしまうことがあります。HoloLensでは、現実の空間にデジタルコンテンツをホログラフィックとして展開できるので、N予備校の動画と制作中のソフトウェアのウィンドウを目の前の空間に表示しつつ、手元にあるPCではプログラムコードを書くという効率的な作業環境の構築が可能となります。また、ボイスコントロールによるアプリケーションの挙動操作が有効に機能すれば、キーボードから手を離す頻度が減るため、コーディングの作業効率を上げることができます。
今回のイベントにて開発したアプリは今後、実際にN高・通学コースで導入することを目指し、今回の開発経験を糧に、引き続きアップデートを進めていく予定です。
【日本マイクロソフト株式会社 テクニカルエバンジェリスト 高橋忍氏の講評】
これまでの教育向けのアプリの多くは、リアルな授業を受けながら参考情報としてコンテンツを見るためのものがほとんどでした。しかし、今回参加された皆さんが作られたアプリは、授業を受けるための方法として、HoloLensを使ったアプリを開発されました。このアプリはPCとHoloLensを同時に使って最高の授業体験を実現しています。
これからのフレキシブルな学習スタイルを実現するツールとしても、今後の応用が期待できるプロトタイプであり、そういった意味でも今回の成果はとても意義のあることだと思います。
【株式会社ドワンゴ 先端演出技術開発セクション 岩城進之介の講評】
私は小学生の時にプログラミングを始めたのですが、今回の開発イベントに参加したことでがむしゃらだった昔の自分を思い出しました。
HoloLensは凝ったことをしようと思うとなかなか一筋縄ではいかず最終的な形にするのは難しいのですが、それでもこのようなデバイスを使って何かを作っていくのはとても面白い体験だったと思います。
今回のイベントだけで終わりにするのではなく、今後も継続して作っていってほしいです。
■Microsoft HoloLensについて
Windows 10を搭載し、携帯電話やパソコンなどの外部機器と接続する必要がなく、ワイヤレスで使用できる、全く制約のない初めてのホログラフィックコンピューター。HoloLensを通して、リアル空間で物理的な環境においてホログラムを配置することができ、その世界を見たり、そこでデジタルコンテンツを操作したりすることが可能となる新しい方法を提供している。
■Unityについて
Unity Technologies社が提供するマルチプラットフォーム向け統合開発 環境。ゲームやアプリケーション開発のためのソフトウェアで、2Dゲームを始め、本格的な3Dゲームやスマートフォンアプリ、AR(拡張現実)・VR(仮想現実)コンテンツなど、様々なデジタルコンテンツの開発環境に採用されている。
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