ネットの高校ブログ
【N高投資部】コロナ時代に投資を始める君たちへ
~村上世彰特別顧問による激励講義~
N高投資部は5月22日(金)、第2期生となる部員に向けて、投資部の特別顧問である村上世彰氏による初めての講義を実施しました。
投資部は昨年5月に設立された「投資を通じて社会や経済を学ぶ部活」で、実際に株の運用を行いながら、将来に役立つ投資マインドを培っていきます。
今回実施された講義では「お金とは何か」といった哲学的な内容から、「新型コロナウイルスは投資にどう影響するのか」という時事問題に至るまで、質疑応答を中心に活発なやりとりが交わされました。
投資の“プロ”である村上氏は、これから投資を始めるN高生に何を語ったのでしょうか。そして、これから実際のお金20万円で投資(※)にチャレンジする部員たちは何を感じたのでしょうか。コロナの影響でオンラインでの実施となった講義の模様をお伝えします。
※部員は、運用資金として村上財団から提供された20万円をもとに、「東京証券取引所上場銘柄」の株を運用します。運用の結果、最終結果報告月に利益が出た場合は、その利益額はその部員のものになります。一方、損失が出た場合は、その損失額を返す必要はありません。元手の運用資金は、次の世代の活動資金のために、活動終了後に村上財団へ寄付をするようお願いしています。
300名以上の応募があった中から選ばれた投資部の二期生約50人に対し、今回の初回講義では“お金”について考えることからスタートしました。
「お金って何だろう?」「お金って汚いもの?」「汚いイメージが世間にあるのはどうして?」村上氏は矢継ぎ早に質問を投げかけていきます。
生徒たちからの「賄賂をもらう政治家がいるから」「稼いでいない人のひがみ」といった回答に理解を示しつつ、「日本ほどお金持ちが尊敬されない国は少ない」「お金は使い方によって批判もされる」と村上氏は持論を展開。一方で、お金をどう使うかはその人の自由であることから「お金は道具」と結論付けました。
講義はお金のことから投資へと話題を移します。「投資の本質とは?」という問いに、生徒からは「企業を助けること」「経済の潤滑剤」といった答えが挙がりました。その答え合わせをするべく、村上氏は世界初の株式会社と言われる大航海時代の「東インド会社」を例に、投資のルーツに迫っていきます。
「船の貿易にはものすごいリスクがあるので、お金を出してくれる人を募りました。船が戻ってきた時に、手に入れた胡椒などを売り、出た利益をお金を出してくれた人に分配しました。それが投資の始まり、“原点”です」
では、投資で成功するにはどうすれば良いのか。投資の失敗例から、うまい投資方法について探っていきます。村上氏は、講義に参加していた昨年の投資部員(一期生)に失敗の経験を尋ね、なぜ失敗したのか、なぜうまくいかなかったのか、その理由を問いました。
・ゲーム会社に全額使ってしまったが、業界が読めていなかった
・株価が上がらず、焦って気持ちの制御ができなかった
・他の投資家の動きが想像できなかった
このような失敗談を聞いた村上氏は「いろいろな形で失敗してもいい」「怖がってもいい。逆に怖さを忘れてはいけない」とアドバイス。お金は場合によって怖いものであること、そして投資先を決めたら投資先がどんな会社なのか、投資して正しかったのかということについてしっかり考え続けてほしいと笑顔で語りました。
続いての、村上氏からの問いは「コロナ関連で投資したい企業、ある?」
生徒からは「映像関連」「通信系、クラウド系」「航空機の会社」「製薬業界」などの回答がありました。
今回、コロナは投資の大きなテーマになるという村上氏。自身も抗体検査を受けたり、村上財団として寄付活動を実施したりするなど、大きな関心を寄せていると言います。特に大切と語ったのは、「事実を正確につかむこと」でした。
「感染率を考えると東京だけでも感染者は10万人前後いることになります。でも実際に東京で感染した人は5千人程度しかいない。数字が合っていないんです。わからない数字をもとに政策を決めるのはおかしいなと思って、そこに興味を持っています。40歳以下で亡くなっている人は少なく、かかっても無症状の可能性が高い。そういった事実はデータを元にきちんと理解しないといけない」
そして、コロナのような社会問題と投資には密接な関係があると村上氏は語ります。例えば「治療薬の開発を進めるこの製薬会社に投資してみよう」という発想が生まれるように、コロナ等の社会問題が各企業に及ぼす影響について、事実をもとに想像してみることの大切さを説きました。加えて、このコロナの状況下では株価のアップダウンが激しいこと、そして今回生徒がリスクを負わないことから「投資が面白くなる」「良い経験になる」と生徒たちを激励しました。
先輩である一期生からも、「(コロナの)この時期に投資部をやりたかった」「ピンチこそチャンスです」と二期生に向けてメッセージが送られました。
なお今回の講義はWEB配信による一般公開も実施し、視聴者からは以下のようなさまざまなコメントが寄せられました。
「わしが若いときにこの学校があったらなぁ」
「これ実際にお金動かしてやるんだ。いいね」
「村上さんに会って話ができるの本当にうらやましい」
「お金というものの大切さは社会人になって初めて痛感するから、今のうちに知ってほしい」
「こんな部活動をしてみたかったな」
「社会を知るには投資が一番なのよね」
「大人にもやってほしいです」
「すばらしい取り組みやなあ」
「投資部入りたい」
「N高すごいな」
「頑張れ二期生!」
村上氏は講義の終盤、「投資を通じて社会の面白さを知ってほしい」「お金についてみんなで一緒に考えていこう」と語り、これから1年間にわたって投資にチャレンジする二期生にエールを送りました。
絶えずメモをとったり、積極的に質問したりしながら、初めての授業を終えた二期生からは、講義終了後、「(投資で)たくさん考え、楽しむことが大切だと感じた」「コロナ後の世界がどうなっているのか考えたい」「1年間全力で頑張っていきたいと強く思った講義」といった感想がありました。
これから、投資部での1年間の活動を通じて部員たちはどのような成長を見せていくのでしょうか。
多くの入部希望者の中から選ばれた投資部・二期生の今後に、引き続きご注目ください。
N高投資部 HP:https://nnn.ed.jp/club/investment/
N高投資部 Twitter:https://twitter.com/N_investors
◆今回の講義の様子は、下記のURLよりアーカイブをご覧いただけます。
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