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【職業体験】山形県小国町で「マタギ体験」命をいただくということ

 

※N高では、希望者を対象に、日本各地のさまざまな職業をリアルに体験できる「職業体験」をおこなっています。

 

1月11日(金)~15日(火)の4泊5日の日程で、山形県小国町(おぐにまち)にてマタギの職業体験を実施し、全国各地から集まった生徒7名が参加しました。

素晴らしい5日間でしたが、その中からとくに印象的だった出来事を3つ厳選してご紹介していきます。

 

 

1.歳頭(さいず)焼き

「歳頭焼き」とは、小国町でおこなわれる火祭りのこと。別の地方では「どんど焼き」とも呼ばれ、正月飾りなどを焼いて、五穀豊穣や無病息災を願う行事です。

生徒たちは、体験期間中の4日目に参加させていただきました。

まずは「歳頭焼き」の会場作りからはじめます。「かんじき」(体重を分散させ雪に埋まりづらくする装具)を履いて、みんなで大きな円になるように歩き回って地面を踏み固めます。

 

地面を踏み固めたら、中心に立てた棒の周りに藁を巻いていきます。

 

その中にお札やお守りを入れ込んでいきます。

 

しかし、作業の途中で棒が短いことに気づき、棒を差し替えて巻き直しをしました。上へ上へと重ねていきます。

 

そして完成品がこちら。あとは夜になるのを待ちます。

 

待ちに待った夜になり、点火をしていきました。「歳頭焼き」には、いろいろな“言い伝え”があります。

 

その1

お餅を焼いて食べると「今年1年健康に過ごせる」というもの。ということで、みんなでお餅を焼く準備をしました。

 

その2

 「自分の字を書いたもの(例えば習字など)」が燃えながら天に昇っていくと、字がうまくなるというもの。子どもたちが書いたものを火柱にくべている方もいました。

 

 

 

 

その3

藁が燃え尽き「中心の柱が倒れた方角にある家は、その年に家族が増える」というもの。しかし、柱がなかなか倒れません。それもそのはずです。作成中に生徒たちが柱となる棒を差し替えた時に「倒れたらまずい」と思い、頑丈にしっかりと作ってしまいました。

その結果、なかなか倒れない柱は小国町の方の力によって倒されました。

 

2.巻狩り

体験期間中の3日目におこなった、今回の職業体験のメインイベントとなる「巻狩り」です。

下のイメージ図をご覧下さい。三角形は「山」をあらわしています。

 

 

「巻狩り」とは、勢子(読み方:せこ。狩猟を行う時に山野の野生動物を追い出したり、射手(いて)のいる方向に追い込んだりする役割)が大声を出しながら獲物を射手の方へ追い立てる。それを待ち構えていた射手(弓を射る人、鉄砲をうつ人、弾丸を発射する人)が仕留める狩りの方法です。

 

生徒たちは「勢子」を体験することになりました。

まずはメンバーで集合し、狩りに行く場所を相談します。「かんじき」を履いて、準備は万端ですね。

 

 

 

山を囲むように、勢子を配置します。 

 

いざ、「巻狩り」がスタート!

 

険しい斜面を登りながら、一生懸命声を出します。

 

すると、獲物の足跡を発見!期待が高まります。

 

他の場所からスタートしたメンバーも続々と同じ場所に集まってきました。頂上が近いようです。

 

最後の急斜面。もうひと踏ん張りです。

 

ついに頂上到着しました。雪山の登山は本当に大変でした。

 

さて、頂上には無事到着したようですが、肝心な獲物はみつかったのでしょうか?

 

 

実は昨年のマタギ体験に引き続き、残念ながら今年も獲物のウサギが獲ることはできませんでした。

 

※昨年のマタギ体験の様子はコチラからご覧ください。

 

しかし、生徒たちの表情は達成感に満ちていました。何ごとにも代えがたい経験として胸に残ったことと思います。

 

3.命とは

「巻狩り」体験の前日の日の午後のことでした。

午前中は、「マタギ」についての詳しいお話をご講義いただく時間でした。講義を終え宿泊先の宿に戻ると、宿のご主人が「明日の狩りで万が一獲物が獲れなかったときのために」と、ウサギを獲ってきてくださっていました。

 

午後には「かんじき」の履き方、雪山の歩き方など、実技を学びました。

 

そして辿り着いた山のふもとで、さきほどのウサギの解体を見学しました。

その工程を見つめる生徒たちの顔は真剣そのもの。それぞれの胸にさまざまな思いが渦巻いたことと思います。

 

・食べるとはどういうことか

・命をいただくとはどういうことか

・「いただきます」という言葉の本当の意味とはなにか

 

その答えやこの日見た光景から感じたことは、言葉ではうまく伝えられないことかもしれません。

 

大自然に触れながら、食べることや命について、改めて考えるきっかけとなった5日間でした。

今回の体験で得た知識や感じたことは、今後の成長の糧となるかけがえのないものになったことと思います。

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