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【職業体験】船大工というものづくりの世界で
他者視点から世界をみることにチャレンジ

【職業体験】船大工というものづくりの世界で 他者視点から世界をみることにチャレンジ

 

※N高では、希望者を対象に、日本各地のさまざまな職業をリアルに体験できる「職業体験」をおこなっています。

 

10月28日(月)~11月1日(金)の5日間、三重県の最南端に位置する紀宝町で「船大工体験」を開催し、N高生8名が参加しました。

「川の熊野古道」として世界遺産に登録された熊野川を有する紀宝町。川を渡る手段である川船は、その昔皇族も利用したと言われています。

この川船の文化を今でも守り続ける船大工工房で櫂作りを体験してきました。川船の意味を考えながら、自分以外の視点から世界を見ることに挑戦してきた生徒たちの様子をお伝えします。

 

【1日目】

福岡や名古屋、都内など日本各地から8名のN校生が津駅に集合し、初日がスタート 。そのまま車で南牟婁(みなみむろ)郡にある紀宝町に移動します。車内では、みんなが考えてきたレクリエーションで早くも盛り上がっている様子。紀宝町到着後、町役場の方々に挨拶をして役場内のワーク会場に移動。町役場の皆さんの歓迎ムードにテンションが上がります。

 

 

 

まずはそれぞれ個性が光る名刺を作り、アイスブレイク。輪になって今感じているわくわくや不安など率直な気持ちをみんなにシェアします。自分の気持ちを表に出し、みんなの気持ちも受け入れることで、少し緊張もほぐれてきました。

 

開会式の後、これからの5日間の学びを最大化させるためのレクチャーを受けました。この職業体験の目的や学びを得る姿勢のポイント、考え方のヒントなど、みんな真剣に聞いています。

最終日にはチームごとに学んだことを発表します。共通テーマは「川船の意味」。このテーマを軸に生徒たちは「自分以外の視点から世界を見ること」にチャレンジします。

 

メンター陣の紹介があった後、自分の意思でメンターを選び集まったメンバーでチームを結成。翌日からの活動に向けて気合いを入れ合ったところで、待ちに待った夕食です。夕食会場は「飛雪の滝キャンプ場」。

目の前に流れる滝、都会では見られない星の数にみんなが感動している間に、町役場の方々がBBQを用意をしてくださいました。地元の方々の温かさに触れながら、おいしいお肉を堪能しました。

食後のデザートに紀宝町に移住された方が作ったロールケーキまでいただき、お腹いっぱいになりました。

 

夕食後はメンターとの個人面談で今の気持ちを整理。来る前に抱えていた「仲良くなれるかな」という不安が吹き飛ぶほど、部屋からは笑い声が聞こえていました。明日からはいよいよ船大工体験開始です。

 

【2日目】

眠い目をこすりながら7時に起床し、朝食を済ませさっそくワーク開始。

今日は最終発表に必要な情報を集めるのに役立つ「質問作り」のワークから始めます。質問作りの4つのルールを確認し、チームごとに質問アイディアをたくさん出しました。

チームのみんなから出た質問を「閉じた質問」と「開いた質問」の2種類に分け、それぞれの特性を考えます。アイデアを共有しながら、ディスカッション。納得のいく質問を作るために真剣です。

最後には、個人・チームで最も重要だと思う質問3つを選び、ワークは終了。この質問を持って船大工工房に向かいます。

 

工房に着いたら、塾長の谷上さんと廣田さんへ挨拶。お二方から川船の櫂作りを教えていただきます。

制作に取りかかる前に、谷上さんより川船の歴史や仕様などについてレクチャーしていただきました。ここで、1日目に受けたワークの学びを得る姿勢、考え方のヒントである文脈・意味・仕様の関係性の知識が役に立ちます。質問の時間には、午前中のワークでみんなが考えた質問をすることができ、川船への理解が深まりました。

 

次に、電動カンナを使って櫂を切り出していきます。塾長のお手本を見ると簡単そうでしたが、実際に手を動かしてみると難しいこの作業。電動カンナの仕組みを理解しながらコツを教えていただきます。

 

 

仕上げにカンナで整え、研磨をして今日は終了。元通りに綺麗になるよう工房の掃除をして、明日へ備えます。

 

【3日目】

民泊先で朝食。おいしいご飯と自然に囲まれて、とても気持ちのいい朝です。

 

朝食後、さっそく船大工工房へ。

今日は、最難関工程である手持ち部分の切り出しと接続をします。細かい作業に向かう生徒たちは、昨日以上に真剣な面持ち。

塾長へ質問したりお互いに助け合ったりしながら、協働作業をしていきます。集中して作業に取り組む姿から、ものづくりの難しさと楽しさを体感している様子が伝わってきます。

 

 

午前中で作業を切り上げ、昼食へ。今月オープンしたばかりの地元レストラン「kokoro食堂」へおじゃましました。オーナーは紀宝町に移住してきた尾﨑亜紀さん。

特製のあまご漬け丼と岩清水豚のうどんを堪能した後に、お話を伺いました。やりたいことにまっすぐ向き合って行動してきた尾﨑さんの人生のお話は、自分たちの人生への向き合い方を考えるきっかけとなりました。

 

 

食堂をあとにして、紀宝町観光へ。ウミガメ公園で飼育員の方からお話を伺ったり、お土産を買ったり、しばし観光を楽しみました。

展望台に登り、町を見渡しながら心地よい空気を吸った後は、併設された滑り台で遊び、童心に帰る生徒たち。

 

隣接する和歌山県の名湯、雲取温泉で疲れを癒してから夕食をいただいた後は、ワーク再開。チームごとに中間発表をします。相手チームからフィードバックをもらい、アウトプットに繋げます。

 

ワークの後は、キャンドルトークをしました。チームでキャンドルを囲みながら、今の素直な気持ちをシェアします。みんなが安心して気持ちをシェアできる環境を作るためには、自分の気持ちを声に出す勇気と相手の気持ちを否定をせずに受け取る力、どちらも大切です。しっかりと共有できたところで本日は終了です。

 

【4日目】

船大工作業最終日。櫂先をのこぎりで切り落とし、最終工程の磨き作業にとりかかります。

納得がいくまでしっかりと磨きをかけていく姿からは、生徒たちのものづくりへのこだわりが感じられます。最後に焼印を押して完成。

 

昼食に郷土料理のめはりずしをいただきながら、無事に完成できたことをお祝いしました。

 

そして、いよいよ完成した櫂を持って熊野川へ。塾長が作った川船に乗り込み、河口近くにある御船島を目指してみんなで漕いでいきます。

意気揚々と出発するも、予想以上に難しく体力のいる川船漕ぎに心が折れそうになる生徒たち。見かねた塾長からアドバイスをいただき、掛け声を発しながら漕ぐことに。タイミングを合わせるとぐんぐん進み、無事に御船島に到着できました。

このあと、夕食をおいしくいただき、明日の最終発表に向けての発表準備にとりかかりました。協働作業をする難しさや自分自身に向き合う経験を振り返りながら、ラストスパートをかけていきます。

 

【5日目】

最終日、紀宝町長に挨拶をして修了式が始まります。お世話になった方々を迎えて、最終発表。チームごとに「川船の意味」というテーマで、さまざまな視点から見た川船の意味や、5日間を通してそれぞれが感じたことなどを発表しました。

 

船大工体験をしながらいろいろなものに向き合う経験をした生徒たちに、教育長より修了証書が渡されました。

苦手な分野への挑戦もありましたが、客観的な視点でものごとをとらえて見るきっかけになり、視野が広がったようです。

最後にはしっかりとチームで発表もでき、「来て良かった、また来たい」という感想があがりました。

 

5日間で経験したことがすぐに生かされるかどうかはわかりませんが、これから先、生徒たちが紀宝町で学んだことをふと思い出す瞬間があったらいいなと思います。

これから未来へ進んでいく生徒たちの姿を見るのが楽しみです。

 

 

 

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